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自分軸を育てる教育とは?

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

こんにちは、チャイルドコーチングアドバイザーのピッグママです!

『コーチング』って何?というかたのために、まずは簡単にご説明させていただきます。

『コーチング』とは、提案型のコミュニケーションで、相手の中にある答えを引き出すスキルのことをさします。

このコーチングを子どもとの対話にも応用してみよう!というのが、チャイルドコーチング。

子どもの潜在能力や意欲を引き出したいという親御さんはもちろん、自分の潜在能力や意欲を引き出したいというかたにも読んでいただけたら嬉しいです。

さて今回は、自分軸を育てる教育とは?ということで、子育てのゴールである『自立』に必要不可欠な自分なりの正解や理念を導き出せるようになる方法を海外の事例などをもとにご紹介します。

コーチング先進国オランダの事例

photo: Pixabay
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ユニセフの「先進国における子どもの幸福度調査」(2013年)によると、オランダが1位となっています。各国の総合順位は、子どもの幸福度を考察するために使用した 5 つの分野(物質的な豊かさ・健康と安全・教育・日常生活上のリスク・住居と環境)の平均順位から算出されています。

オランダでは、教育のベースにコーチングを利用しているといわれています。ひとつのテーマに対し、みんなが同じ方法で取り組むのではなく、たくさんの方法の中から、個々の能力に応じた学習をするそう。学校によっては、1週間の時間割を自分で立て、どの課題をいつまでに終わらせるかも自分で決めるところもあるようです。

また、オランダの義務教育期間は5歳〜18歳となっており、大抵の子どもは4歳の誕生日がきたら基礎学校とよばれる学校に通うそうです。

自分が立てた計画では間に合わなかったと経験させることが大切と考え、そこから段取りを学んでいく。計画や課題に対して評価をつけ、振り返りをするのも生徒である子どもたちがやります。自然と主体性が養われる環境が整っていることがうかがえます。

オランダの子どもが実践するPDCAサイクルというものがあります。これは、自ら学習内容を顧みて改善する訓練が、学校入学時から始まり習慣として身についているそうです。

  • Plan(計画)勉強内容や時間割を自分で決める
  • Do(実行)実際に取り組む
  • Check(点検)やってみてどうだったか振り返る
  • Act(改善行動)「次回からはこうしよう」という行動を明確にし、次に活かす

自分なりの正解や理念を導き出すようになることで、自分軸が育つと考えられています。

自分の考えを言葉に出す大切さ

Photo:Pixabay
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ここでは、私自身が大学時代に海外に語学留学していたときの経験をもとに感じたことを書こうかと思います。

今から10年以上前になりますが、海外の授業を受けててカルチャーショックを受けたことがあります。それは、海外の学生が主体的に授業に参加し、自分の考えを発言するということ。

日本では、授業で自ら挙手をして発言するということは当時はほとんどありませんでした。先生に指されて、渋々答える。もしくは、わからなかったら「わかりません。」と答えますよね。

海外では、まず授業がグループワークが多かったり、ディベート形式で討論したりととにかく自分の考えを発言する機会が圧倒的に多かったです。普通の授業でも、生徒が自然と先生に「なぜ先生はそう考えるのですか?」などと質問をする姿がよく見られました。間違っていても「私はこう思います。」と自分の考えを持っており、失敗を恐れていないという印象がありました。

実際に現地の友人や、留学に来ている他の国の友人に「授業中に発言するのは普通のことなの?」と聞いたら、「もちろん!仮にわからなくても、参加する意欲が大事だと思っている。」という答えが返ってきました。確かに、言葉にしないと自分の考えは伝わらず、意欲がないと思われてもしかたないですよね。

日本では、『思いやり』という言葉もあるように、相手の気持ちを察して行動する文化(?)というか習慣がありますよね。日本ならではの良さでもありますが、もしお子さんが世界を軸に活躍したいという思いがあるなら、自分の考えを発する機会を是非増やしてみてください。これからグローバル化で世界のさまざまな国の人と接する機会が増えることも想定されます。

さいごに

photo:pixabay
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子どもの心の内側を聞き出すためには、まずは親子の信頼関係が大切という話を前回しました。信頼関係が成り立っている上で、コーチングの基本である『傾聴・承認・質問』で対話をしてみてください。

相手の話を聴き、肯定的に認め、質問する。質問を投げかけることで、自分の考えが整理され、自分がとるべき行動に気づけます。それを実践することで、目標が実現できます。

親はあくまでサポート役であって、言葉を引き出すことに集中しましょう。心から子どものことを信じ、どんな意見も受け入れてあげましょう。コミュニケーションは質より量を意識してみてください。

参考文献、記事:

『イノチェンティ レポートカード 11 先進国における子どもの幸福度―日本との比較 特別編集版』ユニセフ イノチェンティ研究所・阿部彩・竹沢純子著、公益財団法人 日本ユニセフ協会、2013年

『オランダ流コーチングがブレない「自分軸」を作る』石川尚子著、七つ森書館、2017年

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信。産後うつや育児ノイローゼを経験し、発想の転換や思考の癖などを理解することで克服。実践しやすい「育児や人間関係の問題」に役立つ物事の捉えかたを一緒に考えていきましょう!

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