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【NHL】スタンレーカップ・ファイナル第2戦は、予想外の大差でコロラド・アバランチが勝利!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
盛り上がるコロラド・アバランチのファン(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

スタンレーカップ・ファイナルの第2戦が、コロラド・アバランチのホームアリーナであるボール・アリーナで行われ、ホームチームのコロラドが、ディフェンディングチャンピオンのタンパベイ・ライトニングを7‐0の大差で下し、対戦成績は2勝0敗。スタンレーカップ獲得まであと2勝としました。

第2戦の主役は、第1ピリオド2分54秒に先制点、第2ピリオド4分51秒に試合を決定づける4点目をたたき出した、バレリ・ニチューシュキン

3日前の第1戦、オーバータイムでアンドレ・ブラコフスキーが決めたゴールの見事なアシストに続き、今日は、チームを勢いづける2得点の活躍!

先日の記事でもふれたように、コロラドは、主力選手であるネザム・カドリが指の骨折で「出場が絶望的」と伝えられており、前述のブラコフスキーとニチューシュキンが上位セットに昇格。

ニチューシュキンはコロラドのトップラインに昇格。

チームの顔であるガブリエル・ランデスコグとネイサン・マッキノンと同じラインでプレーしており、ここまで6ゴール5アシストの成績を残しています。

しかし、ニチューシュキンがこのようなチャンスを手にするまでは、まさに「ジェットコースター」のような経歴があったのです。

2013年のドラフトで、ダラス・スターズから1巡目指名を受けたもののケガに泣かされ、NHLでの3年契約が終了した際にダラスとの再契約に至らず…。

その後、故郷のロシアに戻りKHL(ロシアのプロアイスホッケーリーグ)で2年間プレーしていました。

2018年に、再度、ダラスと2年契約を結んだものの、最初のシーズンの57試合で、一つのゴールも決められず、契約を一年残してバイアウト(契約が残っていながらも、契約完了前に早期解約すること)されたのです。

ダラス・スターズでプレーしていたニチューシュキン(@NHL.com)
ダラス・スターズでプレーしていたニチューシュキン(@NHL.com)

そこへ声をかけたのが、コロラドでした。

契約の条件こそ下がりましたが、ニチューシュキンはコロラドでの最初のシーズンで13ゴールを決め、さらに2年間の契約を延長。

今年のレギュラーシーズンでは、62試合で25ゴールを決める活躍をしています。

コロラドは、ガブリエル・ランデスコグとネイサン・マッキノンの両フォワードがチームを引っ張り、ここまで勝ち上がってきましたが、第2戦では、この両選手はゴールを決めていません。

この両選手が活躍しなくても勝利を収めることができたのは、チームの選手層の厚さを物語っています。

スタンレーカップを手にするまでには16勝しなくてはなりません。

主力選手の活躍はもちろんのこと、脇役の存在なくしてはスタンレーカップを勝ち取ることはできないのです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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