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山形県鶴岡市でがけ崩れ 鶴岡の12月降水量は過去最多

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
【降水量】12月1日~30日までの30日間(気象庁ホームページより)

 31日(土)未明、山形県鶴岡市で発生したがけ崩れ。気象庁の観測によると、30日(金)の鶴岡の降水量は8.5ミリで、夕方以降は目立った降水はなかったようです。31日午前1時の気象レーダーでは鶴岡市周辺に雪雲は見られません。また、30日の最高気温は夜遅くに観測された4.4度です。

 鶴岡市は日本海に面した庄内平野に位置し、冬は北西の季節風が強く、ふぶく日が多いものの、通常、雪はあまり多くは降りません。

【高解像度ナウキャスト】12月31日午前1時(ウェザーマップ作画)
【高解像度ナウキャスト】12月31日午前1時(ウェザーマップ作画)

12月降水量は過去最多

 30日は目立った降水はなかったようですが、今月は度重なる強い寒気や低気圧の影響で、東北地方の日本海側で降水量が多く、山形県内の半数で平年の1.5倍を超えています。鶴岡では1日~30日の降水量が500.5ミリに達し、12月としては1976年以降で最も多くなりました。

雪の気象災害 地すべりも

 冬の気象災害と言えば、なだれを思いますが、これ以外にも雪害はさまざまな形になって現れ、大雪だけではなく、気温や雨などの要因が絡み合って発生する特徴があります。

 雪の多い地域では雪解けによる地すべりがあり、春先が多いですが、初冬でも起こります。新潟地方気象台によると、1980年12月30日に長岡市で家屋が12棟倒壊する地すべりがありました。

 豪雪地帯の山間部では積雪が3メートル~4メートルくらいあっても珍しくはなく、この積雪を雨量に換算すると1,000ミリ~1,500ミリ(積雪の密度を0.4として)に達します。

1月も降雪量多い予想

 来月にかけても、冬型の気圧配置が続き、北日本では平年よりも雪の日が多くなる見通しです。

【1か月予報】向こう1か月(12/31~1/30)の降雪量予報(ウェザーマップ作画)
【1か月予報】向こう1か月(12/31~1/30)の降雪量予報(ウェザーマップ作画)

 そのため、向こう1か月(12/31~1/30)の降雪量は北日本日本海側で平年より多くなる可能性が高くなっています。すでに、大雪となっている地域もあり、今後も雪の降り方や気温の変化にお気をつけください。

【参考資料】

山形地方気象台ホームページ:山形県の気候特性

新潟地方気象台ホームページ:新潟県の雪災害

新潟県ホームページ:新潟県で発生した大規模な地すべり

気象庁:1か月予報、2022年12月29日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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