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藤井聡太棋聖への挑戦者、本日決定! 注目の▲渡辺明名人-△永瀬拓矢王座戦、始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月25日10時。東京・将棋会館において第93期ヒューリック杯棋聖戦・挑戦者決定戦▲渡辺明名人(38歳)-△永瀬拓矢王座(29歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 振り駒の結果、先手は渡辺名人と決まりました。

記録係「それでは時間になりましたので、渡辺先生の先手番でお願いします」

 両対局者は「お願いします」と一礼。持ち時間各4時間の対局が始まりました。

 渡辺名人はしばし瞑目。ストップウォッチによって消費時間1分がカウントされたあと、初手、角筋を開きました。

 永瀬王座は一呼吸おき、飛車先の歩を突きます。まずは矢倉模様の立ち上がりとなりました。後手が速攻含みの駒組を進める、現代最新形です。

 渡辺名人が7七銀型の矢倉なのに対して、34手目、永瀬王座はそっと銀を4三に上がりました。現代流の「雁木」(がんぎ)の構えです。

 2022年度が始まって、両者の公式戦成績はともに3勝0敗です。

 トップクラスの棋士がハードスケジュールとなるのは宿命。両者ともに今後も重要な対局が続きます。

 永瀬王座への挑戦権を争うトーナメントは、これから開幕。渡辺名人は服部慎一郎四段と対戦します。

 渡辺名人、藤井棋聖ともに勝ち進むと、準決勝での対戦となります。

 現在放映中の第5回ABEMAトーナメント。予選Aリーグではチーム永瀬が早くも1位通過を決めました。

 チーム渡辺はチーム藤井と同じEリーグです。

 現在のタイトル保持者3人。勝っていれば何度も当たるのは、必然のことでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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