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ノート(21) 突然に逮捕勾留された場合、弁護人をどうやって選べばよいのか

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~逡巡編(6)

勾留初日(続)

大物ヤメ検は検察に顔が利くのか

 勾留の決定を終え、警備隊職員に囲まれて拘置所に戻る道中、誰に弁護を頼むべきか、思いを巡らした。

 まず考えたのは、「ヤメ検」、すなわち検察庁を辞めた元検事の弁護士だった。特に、最高検の元検事総長や元次長検事、高検の元検事長、大規模地検の元検事正といった、著名な元検察幹部だ。大企業などで監査役や顧問を務めたり、不祥事が発覚すると第三者委員会に就任し、玉虫色の調査報告書を平然と作り上げる。

 このほか、そうした主要な幹部ポストまで手が届かなかったものの、退職後、長年にわたって著名人が主役の刑事事件、とりわけ特捜事件の弁護を務め、検察から一目置かれているような弁護士も数多くいた。確かに彼らであれば、検察に顔が利く部分もあった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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