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「2010年代最高の打者」はトラウトで決まりだが、彼に次ぐ2番目は誰?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)Aug 9, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 2010年代最高の打者がマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)であることに、異論はないだろう。OPSだけでそう判断するわけではないが、トラウトの1.000は、3000打席以上の197人のなかで群を抜く。同じことは、wOBA.419とwRC+172についても言える。

 では、このディケイドで、トラウトに次ぐ打者は誰なのだろうか。こちらは、そう簡単ではない。OPS、wOBA、wRC+の2~4位には、いずれも同じ顔ぶれが並ぶ。しかも、3人の差はごくわずかしかない。デビッド・オティーズは.945/.396/148、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)は.944/.403/153、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)は.943/.398/153だ。

 あとは、お好みで選んでください、といったところだろうか。パワーならオティーズ、投球を見極める技術であればボトー、ヒットを打つ技術はカブレラを推す。

 オティーズの長打率.562を上回るのは、.581のトラウトだけだ。ISO.269は、ジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)の.279とトラウトの.276に次ぐ。224本塁打は23位だが、これは2016年までしかプレーしていないのが理由だ。2010~16年のシーズン平均本塁打は32.0本。2017~19年もプレーし、このペースで打っていれば――キャリアの最後は3年連続35本以上だった――2010年代の総本数は、2000年代の307本を上回っていた。また、ボトーの出塁率.428と四球率17.0%は、ともに1位。カブレラの打率.317もトップだ。

 なお、打撃三冠のトップ10はリストのとおり。

筆者作成
筆者作成

 ディケイド首位打者はカブレラ、ディケイド本塁打王は346本のネルソン・クルーズ(現ミネソタ・ツインズ)、ディケイド打点王は963打点のアルバート・プーホルス(現エンジェルス)だ。唯一人、3部門とも10位以内のカブレラは、2012年に三冠王となっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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