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【オートバイのあれこれ】史上初の市販オフロードバイク!

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「史上初の市販オフロードバイク!」をテーマにお送りします。

未舗装路を楽しむためのオフロードバイク。

「オフ車」「トレールバイク」というふうにも呼ばれたりしますね。

このオフロードバイクの祖となったマシンを知っているでしょうか。

ヤマハの『DT-1』です。

▲今ではごく一般的な市販のオフ車。その先駆けがこのDT-1だった
▲今ではごく一般的な市販のオフ車。その先駆けがこのDT-1だった

1960年代、アメリカ西海岸では、原っぱや荒野を「スクランブラー」と呼ばれるバイクで走る遊びが流行していました。

スクランブラーとは、オンロードバイクを未舗装路でも走れるように改造したマシンのこと。

DT-1は、そのスクランブラーに着想を得て生み出されたモデルです。

スクランブラーは(上述のとおり)オンロードベースの車両なのですが、ヤマハは最初から“トレール車”としてDT-1を開発

▲“オン/オフ”の区別も無い時代に、ヤマハは“未舗装路走行を前提として”開発を進行
▲“オン/オフ”の区別も無い時代に、ヤマハは“未舗装路走行を前提として”開発を進行

オフロード走行を前提とし、車体はなるべくスリムかつ軽量に仕上げられ、サスペンションはストローク量の多いものを装備、またマフラーは路面にヒットしないよう車体の上部を通る取り回しとされました。

また、タイヤも当時としては異例に太い4.00-18サイズ(後輪)のブロックタイヤを採用するなど、“オフロード前提”で作られたDT-1のディテールは新鮮味に満ちていました。

今では考えられませんが、実はこのDT-1が登場するより前には、“オフロードバイク”というものは存在せず(というより、オフロードとオンロードを区別する考え方自体が無かった)、DT-1が史上初の市販オフロードバイクとなりました

▲サイドカバーには「ヤマハトレール」の文字。DT-1は「トレール」という単語を世間に広く知らしめた
▲サイドカバーには「ヤマハトレール」の文字。DT-1は「トレール」という単語を世間に広く知らしめた

既存のオートバイをオフロード仕様にわざわざ作り変えて楽しんでいた当時のバイクファンにとって、初めからオフローダーになっているというのはかなりセンセーショナルで、DT-1は1968年(昭和43年)にリリースされるやいなや、ヤマハの想定を大きく超える売れ行きを見せます

そしてこのDT-1のデビュー後は、日本でもオフロード走行やトレールライドがバイクの楽しみの一つとして世間に定着し、やがてオフロードカテゴリーが確立。

ヤマハ以外のメーカーからもオフロードバイクが続々と登場するようになり、こうしてバイクカテゴリーの一大勢力として「オフ車」は身近な存在となったのでした。

▲’69年登場のスズキ・ハスラー250。ヤマハ以外のメーカーからもオフ車が続々と現れるようになった
▲’69年登場のスズキ・ハスラー250。ヤマハ以外のメーカーからもオフ車が続々と現れるようになった

DT-1という名車を作り上げたこともそうなのですが、“自然の中をバイクで楽しむ”という考え方を世の中へ浸透させたことは、ヤマハのこの上ない偉業だったと言っていいでしょう。

▲ヤマハはDT-1を作ると同時に、オフロードライドを楽しむ機会も積極的に提供。オフ車が一気に身近なものとなった
▲ヤマハはDT-1を作ると同時に、オフロードライドを楽しむ機会も積極的に提供。オフ車が一気に身近なものとなった

画像引用元:ヤマハ発動機/スズキ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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