「世界標準の資産の増やし方」って?インフレ時代に考慮したい投資の大原則
シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。『世界標準の資産の増やし方: 豊かに生きるための投資の大原則』(東洋経済新報社)から、読者にとって役に立ちそうな考え方をご紹介します。
世界標準の資産運用とは
世界標準の資産形成を一言で言うとインフレを前提とした資産形成です。日本におけるこれまでの資産形成はデフレ経済と充実した年金制度の中で、コツコツと貯蓄をしていくという考え方が中心でした。
しかし、インフレ下ではコツコツと貯めた現金は価値が目減りしていきます。デフレを脱却したことで日本は世界の先進国同様インフレを前提とした資産形成が求められるようになりました。
インフレを前提とすると、毎月コツコツ預金を積み立てていくだけでは不十分で、株式など値下がりリスクもある金融商品にも投資を行うことが必要となります。
儲け方よりも損失の避けるという考え方
資産運用というとどうしても「儲かるかどうか」という考えが先に立つでしょう。
「儲からないのなら、資産運用はやらなくてよい」と思う方も多いと思います。たしかにデフレの時代は儲からないなら、資産運用をやらないということでよかったのです。
しかし、インフレの時代となり、やらないと資産の価値が目減りするという状況になりました。その例を挙げましょう。
つまり、インフレ時代では、取り返しのつかない様な損失を避けながら、いかに資産を増やしていくかという考え方が重要になります。
インフレ時代の資産形成とは、稼ぐ資産運用ではなく、守り育てる資産運用なのです。世界的に株価が高値を更新する中、稼ぐ資産運用と守り育てる資産運用の差は見えにくいかもしれません。
しかし、株式という資産は数年に一度の暴落は避けられないという特性があります。その時に動じない資産運用を行うには、基礎を1つ1つ理解することが必要です。このコラムの中でNISA初心者にも分かりやすく、資産運用の基礎をご紹介していく予定です。
関連記事