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定年まではお昼休みにケータイアクセス・世代別携帯電話の時間帯別利用状況(2014年)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ バイトの休み時間にも必死にアクセス、などという情景も良く見かける

急速に普及しつつある携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方)。従来型携帯からスマートフォンへのシフトが進むに連れて、ますます日常生活の中に浸透しつつある。それでは実際に、どこまで生活に溶け込んでいるのだろうか。情報通信政策研究所が2014年9月に発表した、「平成25年 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の詳細版から、世代別における時間毎の利用状況を探ることにする。

今件において利用している状況を指す「行為」とは、10分以上連続した利用を意味する。携帯電話の場合、電子メールやアプリゲーム、ソーシャルメディアの利用だけでなく、例えばワンセグでテレビを観た場合も該当する。

次に示すグラフは、1時間単位の各世代別における携帯電話行為者率。数字が大きいほど、その時間帯にその世代の多くの人が携帯電話を連続利用している。

↑ 携帯電話の時間帯別行為者率推移(2013年、平日、世代別)
↑ 携帯電話の時間帯別行為者率推移(2013年、平日、世代別)

朝食前、昼食時、そして夕食から就寝までの3つの時間帯でピークが発生している。プライベートな時間が取れる時間帯に、多くの人が携帯電話を使っている次第である。10代は学生が多数を占めているので、朝食前後に多くの人が使い、昼食までは行為者率が下がる(ゼロにならないのは大学生などが居るため。また休み時間に使う事例も想定できる)。そしてお昼時になると昼休みを使って多数の人が利用する。持ち込み不可の学校もあるため、行為者率そのものは朝食時よりは低い。夕方は下校時間以降少しずつ行為者率が上昇し、夕食後は高いままで維持、就寝まで利用は続く。

20代以降中堅層も似たような動きだが、就業中でも使える機会があるため、10代と比べると昼間の行為者率は高め。さらにお昼時の行為者率の急上昇ぶりは10代をはるかに超える。30代から50代では夕食以降よりも高い。そして夕食前後の上昇傾向も10代と変わらないが、終業のタイミングが夕方5時以降のため、上昇開始は10代より遅い。

一方歳を経ると携帯電話の利用性向は落ち着く。退職した人も多分に含む60代では、特にその動きが著しい。昼食時、夕食後のピークも無く、むしろ夕方が一番の行為者率を示すようになる。20時ぐらいで夜間の利用はほぼ終わり、あとはするすると落ち始める。

休日では学校や職場の縛りがないため、昼間の行為者率減退も起こらない。

↑ 携帯電話の時間帯別行為者率推移(2013年、休日、世代別)
↑ 携帯電話の時間帯別行為者率推移(2013年、休日、世代別)

10代はおやつ時と夕食後、20代はお昼前と夕食後、40代を過ぎると午前中の安らぎ時間帯に行為者率のピークが生じる。また平日・休日を問わず30代までは一定数が深夜ゼロ時前後まで携帯電話を利用している実態も確認できる。休みであろうとなかろうと、毎日のように携帯ライフを楽しんでいるのだろう。

昨今では生まれてはじめて携帯電話に触れる年齢が年々低下している、早まっているとの観測もある。今後はこれまで以上に10代の行為者率は上昇し、20代以上に多くの人が使うようになる時代もやってくるかもしれない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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