主な新興国/米国経済ニュース(18日)
米アマゾン、大手出版ハケット・ブックと和解し電子書籍販売再開へ
米オンライン小売り大手アマゾン<AMZN>は先週、自社のショッピングサイトでの米大手出版社ハケット・ブック・グループの電子書籍の販売価格をめぐって意見が対立し、対抗措置としてハケットの電子書籍の自社サイトでの販売を停止する事態にまでエスカレートしていた問題で、ハケット側と和解に達した。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが伝えた。
両社間の対立は7カ月間続いていたが、今回の和解を受けて、アマゾンは来年早々からハケットの電子書籍の販売を再開する。ハケットは電子書籍を12.99-14.99ドルで販売したいとしているのに対し、アマゾンは9.99ドルを主張して対立していた。アマゾンは電子書籍市場の60%を超える圧倒的な市場シェアを持っている。
これを受けて、アマゾンの株価は14日、3.58%高の327.82ドルと急騰した。
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米石油開発大手ハリバートン、同業ベーカー・ヒューズを敵対的買収か
米石油開発関連サービス大手のハリバートン<HAL>は先週末、同業大手ベーカー・ヒューズ<BHI>の買収をめぐって条件面で折り合いがつかず交渉が決裂したことから、今後はTOB(株式公開買い付け)による敵対的買収に向かうもようだ。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが15日に伝えた。
ベーカー・ヒューズのマーティン・クレイグヘッドCEO(最高経営責任者)は、声明文を出し、両社間で最大の対立点となったのは、ハリバートン側がベーカー・ヒューズの全取締役を求めたことだと、指摘している。ハリバートンは10月13日に初めてベーカー・ヒューズに対し、買収提案を行っており、200億ドル(約2.3兆円)超での買収を目指していた。ベーカー・ヒューズの時価総額はおよそ260億ドル(約3兆円)。
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米グーグル、インドネシアで「アンドロイド・ワン」のOEM生産協議中
米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>はインドネシアのスマートフォンメーカーとの間で、グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマホ「アンドロイド・ワン」のOEM(相手先ブランドによる製造)生産について協議を開始した。ジャカルタ・グローブ(電子版)が16日に伝えた。
これはインドネシア大手携帯電話販売会社エランジャヤ・スワセンバダの広報担当者ジャトミコ・ワルドヨが明らかにしたもので、同氏は具体的な生産開始時期など詳細はまだ議論していないとしている。グーグルはこれまでにインドで、アンドロイド・ワンの3機種のOEM生産に関し、地元のスマホメーカー3社(マイクロマックス、カルボン、スパイス)と提携している。インドでのアンドロイド・ワンの販売価格は100ドル(約1万1600円)に設定されている。
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タイ・ビバレッジ、ベトナムのサイゴンビールへの出資を計画中
タイの大富豪チャルーン・シリワタナパクディ氏がオーナーの清涼飲料水大手タイ・ビバレッジはベトナム国営のビール最大手サイゴンビール・アルコール飲料総公社に出資する計画だ。ベトナムの日刊紙タンニェン(電子版)などが15日に伝えた。
これより先、同氏は8月にもベトナムで独小売最大手メトロのベトナム法人メトロ・ベトナムを買収しており、ベトナムへの進出を強めている。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ベトナム政府のサイゴンビールの持ち株比率は89%だが、このうち最大で53%を外国の戦略的パートナーに売却する方向で検討しており、タイ・ビバレッジもすでにベトナム政府に対し、サイゴンビールの20億ドル(約2300億円)相当の株式の取得を打診している。
サイゴンビールはベトナムのビール市場の46%を保有し、今年上期の売上高は14兆3000億ドン(約770億円)で、約6億5000万リットルのビールを販売した。
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ロシア中銀、ルーブルの変動相場制移行後も市場介入の可能性否定せず
ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は15日の地元テレビ局ロシア1のインタビューで、最近、実施したルーブルの変動相場制への移行について、「変動相場制に移行したからといって、中銀がルーブル相場の監視を放棄するものではない。また、市場介入を否定するものでもない」とした上で、「急激な変動を含め、必要な場合には、いつでも市場に介入することは可能だ」と警告している。ロシアのプライム通信(電子版)が17日に伝えた。
また、同総裁は、「我々は外為市場で起こっているすべてのことをリアルタイムで監視しており、市場介入は稀だが、何の前触れもなく突然に、かつ、大胆に行われるだろう。また、投機的動きをけん制するためには介入とは別に、ルーブルの流動性を抑制するなどの手段も用いる」と述べている。さらに、同総裁はルーブルの変動相場制はCPI(消費者物価指数)を2018年までに4%上昇にまで引き下げるのに役立つとの見通しを示した。
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ブラジル中銀週報:2014年GDP伸び率見通しを上方修正
ブラジル中央銀行が17日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2014年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比0.2%増から0.21%増へ上方修正された。1カ月前の予想は0.27%増だった。また、2015年のGDP伸び率見通しは前週予想の同0.8%増のまま据え置かれた。1カ月前の予想は1%増だった。
また、2014年末時点の政策金利見通しは、前週予想の11.5%のまま据え置かれた。1カ月前の予想は11%だった。2015年末時点の見通しも前週予想の12%のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は11.88%だった。次回12月2-3日の金融政策決定会合時の政策金利の見通しも前週予想の11.5%のまま据え置かれた。
一方、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2014年は前週予想の前年比6.39%上昇から6.4%上昇へ下方修正(悪化方向)された。1カ月前の予想は6.45%上昇だった。2015年の見通しは前週予想の6.4%上昇にまま据え置かれた。1カ月前の予想は6.3%上昇だった。
為替レートの見通しは、2014年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.5レアルから2.53レアルへ引き上げられた。引き上げは3週連続。2015年末時点の対ドルレートも前週予想の2.6レアルから2.61レアルへ引き上げられた。引き上げは3週連続。
(了)