「値上がりツラい」一番の商品は?
「値上げされるとツラい」トップはガソリン
デフレ是正の政策の実施、為替変動、そして国内外の原材料価格の上昇に伴い、商品やサービスの価格上昇があちこちで実施されるようになった。さらにこの4月からは消費税率が引き上げられ、お財布から出ていく金額は増えることになる。消費者はどのようなものに対し、値上がり感を体感しているのだろうか。住信SBIネット銀行が2014年1月末に発表した、「値上げに関する消費者意識調査」によれば、「これの値上がりはお財布に厳しいな、ツライな」と感じている対象としてガソリンを挙げた人がもっとも多かった。
自動車を運転せず、さらに世帯に自動車が無ければガソリンの高値感を実感することも無い。つまり見方を変えれば、少なくとも5割強の人は日常的に自動車を用いていることになる。自営業者で営業車を使っている人もいるだろう。
日常的に消費しているので値上がりが分かりやすく、ツラさを覚えるためか「ガソリン」以外では「食品・飲料」や「電気」が上位を占めている。以上3項目が他から抜きんでた「高値感を覚える商品・サービス」。実質的に約半数の人が同意を示している。
その他にはほぼ冬季限定の「灯油」、「電気」同様に日常生活で良く使われるインフラ系の「ガス」、そして「日用品・トイレタリー」など。いずれも反復して使われる、単価がさほど高くない商品で「値上がりがツラい」との感想が抱かれている。
身近な商品ほど値上げが目につく
これを「有職者」「専業主婦」「無職」という属性別に仕切り直したものが次のグラフ。
有職者は仕事の最中に使うことから「タバコ」「自動車」「有料道路料金」などがやや高めに出ている。しかし全体的には順位などの点で平均値と大きな違いは無い。
一方「専業主婦」は「ガソリン」以上に「食品・飲料」が高い値を示し、「電気」も「ガソリン」に競っている、「日用品」「衣服・下着」「医薬品」などの値も他の属性より高めに出ているなど、日頃目に留まり、定期的かつ実際に購入する商品やサービスで、高い値が出ている。金額の違いを実感できる機会が多い、反復されるものほど、高さをより印象深くするということだろう。
鉄道運賃のように値上がりがツラくとも削減が難しいものがある一方、趣味趣向品や一部日用品のように、品質を変えまとめ買いを強化し、購入頻度・数量を減らすなどで、値上がり感に対応できるものもある。収入が増やせれば一番だが、一朝一夕で出来るものでは無く、しかも意図した通りのアップができる保証は無い。
上位3項目の「ガソリン」「食品・飲料」「電気」は日々の生活に必要不可欠で、削減も難しい(いずれもすでに相当量の節約をしているはず)。節約感を強くし利用を一層引き締めるか、他の項目でまかなうことになる。いずれにせよ消費の減退は否めない。景気動向に水を差すようなことがないよう、願いたいものだ。
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