小室哲哉さんを引退に追い込んだのは週刊文春だけじゃない。読者にも責任がある
雑誌『週刊文春』による不倫疑惑報道の結果、小室哲哉さんが引退を表明したことで、ニュースサイトのコメント欄やSNSなどで週刊文春に対して批判が集まっています。
なかでも『Twitter』では週刊文春の公式アカウントに批判コメントが殺到しており、炎上状態です。これに対して週刊文春側は雑誌の公式アカウント、「文春砲」の公式アカウントの両方で完全に沈黙しています。
ただ、今回の事件、週刊文春だけが批判されるべきなのでしょうか? 私は読者(世間)にもその責任があると考えています。
ベッキー不倫報道で息を吹き返した週刊文春
週刊文春が芸能人や著名人の不倫報道を積極的に取り上げるようになったのは、2016年1月、タレントのベッキーさんとバンド『ゲスの極み乙女。』のボーカル・川谷絵音さんの不倫をスクープしたときの世間の盛り上がりがきっかけです。
この報道では不倫の事実だけでなく、ベッキーさんがメッセージアプリ『LINE』で送った「ありがとう文春!」「センテンススプリング」のメッセージも話題となり、2016年のネット流行語大賞で「センテンススプリング」と「文春砲」が特別賞に選ばれるなど、週刊文春の不倫報道が注目されることに。
この報道後、週刊文春は衆議院議員の不倫、お笑い芸人の不倫、女性アイドルの恋愛スキャンダル、女性アナウンサーの不倫、男性アイドルの二股などなど、取り上げればきりがありませんが数々のスクープを「文春砲」として撃ち出しました。
以下のグラフは週刊文春の発行部数の推移ですが、上記の結果として右肩下がりの傾向にあった部数が2016年1~3月期を境に持ち直していることが分かります。
これを受けて文春側が「この路線で部数回復だ」と張り切ったのは想像に難くなく、2016年11月には話題となった「文春砲」の公式Twitterアカウントを開設。スクープの予告や不倫を取り上げた記事の拡散を精力的に行い始めました。
つまり、売上が増える=読者(世間)が求めているからこそ週刊文春が不倫報道を続けるわけです。
買わないだけでなく話題にしないことが重要
もちろんこの記事を読むような方は「週刊文春なんて買わないし、読んだこともない」という人が多いことでしょう。
ただ、そういう方たちのなかでも「つい話題に出してしまう」人はいるのではないでしょうか? 私もしたような記憶があります。こうして多くの人が話題にすればそれが注目を浴び、たとえ自分が買わなくても気になったほかの人が買ってしまう、『dマガジン』などの電子書籍で読んでしまう。そういった流れが起きます。
今回の小室哲哉さんの引退表明を受けて「これ以上不倫報道を続けて欲しくない」と考えているのであれば、週刊文春を買わないはもちろん、「読まない」「(不倫報道を)話題にしない」ことが何よりも重要です。
週刊文春は売れるネタとして不倫報道を続けているわけですから、それがお金にならない、読者に支持されないことが数字で分かれば路線変更することは確実です。
逆にどれだけ批判されようが、売上が伸びるようであれば今後も不倫報道が続いていくことでしょう。私たち読者――世間が今後、芸能ゴシップに飛びつかないことが報道を変えるきっかけになる。私はそう思います。