男だけどジャニーズ「嵐」が好きになる3つの理由
日本語堪能の友人Aくん(オーストラリア人)が趣味と日本語能力向上を兼ねて見ているというテレビ番組『しゃべくり007』(日本テレビ系列)。僕もつられて見るようになった。レギュラーメンバー(くりぃむしちゅー、ネプチューン、チュートリアル)のバランスと役割分担が良く、安心して笑うことができる。
ゲストの面白さをみんなで懸命に引き出そうとする姿勢にも好感が持てる。無口な映画俳優が登場したりすると、司会の上田晋也をはじめとするレギュラーメンバーのトーク技術ばかりに注目してしまう。
先日はジャニーズ嵐の相葉雅紀がゲストであった。「しゃべくりには出たくなかった」という前振りから始まり、レギュラーメンバーに激しくツッコまれ、「見るのは大好きだけれど自信がないんです」と必死に弁解する相葉。冒頭から男の可愛げ全開である。アイドルらしからぬ顔芸で「ゴモクチャーハン」と叫ばされてもうれしそうに笑っている。他の嵐メンバーのことを聞かれると、信頼関係と仲の良さを前提としつつ、当たり障りのない範囲で落とす(櫻井くんのリュックは中身がゴチャゴチャ、など)。
僕は性的には男性に興味がないので、ジャニーズを見てもときめきを感じるようなことはない(ゲイの友人は嵐のデビュー当時から「相葉くんはメンバーの中では自分がカッコ良くないと思っている。だから道化役に徹しようとしている。そこが可愛い!」と騒いでいた)。女友だちの何人かが熱心に追っかけをしていることも理解できなかった。
しかし、平均年齢の高い「しゃべくり」レギュラーメンバーの中で、真面目かつ堂々と振る舞う相葉雅紀(櫻井翔と二宮和也の登場回も面白かった)を見て、嵐の魅力が少しわかった気がした。彼らには、男女を問わずに現代日本人が好きな3要素が凝縮されているのだ。
●清潔で美しい:マッチョで汗臭い外見に憧れる人は男性でも減少傾向にある。スポーツ系でも目指される姿は「細マッチョ」だ。不快な体臭・口臭、鼻毛・無精ヒゲ、ぜい肉などは忌避される。
●各自の個性はあるけれど調和的である:「自分をよく知って能力を真摯に開花させている」姿勢は大いに評価されるが、自己主張をし過ぎて他者と対立的になったり転職や独立をすることは好まれない。
●「媚び」とは距離があり、「調子に乗っている」とは無縁である:人気者が加齢以外の理由で凋落するポイントは「媚び」と「怠惰・傲慢」に分かれる。サービス精神は全方向に向けて発揮しなければならず、仕事には真剣な態度を維持しなければならない。
以上の3要素を一人きりで長年キープするのは極めて難しい。実績と情報が蓄積された会社(ジャニーズ事務所)による強力なサポートと、グループメンバーによる相互管理が必須となるだろう。僕が相葉雅紀に心惹かれたのは、彼の後ろに日本人好みの「集団美」を見たからなのかもしれない。