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美智子さま・雅子さま・眞子さまが結婚を決めた言葉は? 三者三様の愛の形

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
眞子さまご婚約内定記者会見(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 コロナ禍で皇室の方々のお出ましを報じるニュースが減った一方、週刊誌などで毎週のように見かけるのが、眞子さまのご結婚問題についての記事だ。ご婚約内定記者会見が開かれてから3年半近くになろうとしているが、依然として今後の進展は不透明な状況だ。

 とは言っても恋愛は、人間の本能であり、燃え上がる感情を抑えることなど、修行僧でなければ至難の業である。

 そして気がつけば今年も、バレンタインデーの季節が到来。そこで今回は、皇室の方々が結婚しようと心を決められたプロポーズの瞬間に注目してみた。

■眞子さまが受けたプロポーズ

 眞子さまの場合、どのようなプロポーズを受けたかについては、ご婚約内定記者会見で明らかにされた。

 出会ってから約1年後、お二人で歩いていた時に「将来、結婚しましょう」と、お相手の男性からプロポーズされ、前々から心が決まっていた眞子さまは、その場で快諾されたという。 

 お互いの存在を「太陽」と「月」にたとえた表現が印象的だったが、何より記者会見の間、何度も見つめ合う様子が強く惹かれていることを物語っていた。

 まさに強い愛の絆を感じさせるお二人にとって、奇をてらった一世一代のプロポーズなど不要だったのだろう。だから至って単純明快な、「将来、結婚しましょう」と言ったのだ。

 しかし、ここでひっかかるのは、本来プロポーズは結婚の意思を伝えて受け入れられたら、速やかに結婚の準備に入るはずなのだが、眞子さまの場合は、「将来…」という言葉が意味深だ。つまり速やかでなくとも、いずれその内というニュアンスが感じられ、決然とした思いがいかにも弱い。

 実際、そのような状況に陥っていることが、なんとも皮肉である。

 一方、天皇陛下や上皇陛下のプロポーズは、とても毅然として厚い誠意が伝わってくるものだった。

■雅子さまがご結婚を決めた言葉

 天皇皇后両陛下は、昭和61年にスペイン・エレナ王女の歓迎レセプションで初めて会われたが、結婚までの道のりは7年という長い歳月を経ることになった。

 当時、雅子さまは外交官として将来を嘱望されており、過熱する報道を避けるようにイギリスのオックスフォード大学へ留学。陛下と遠く離れ離れになり、一時はお妃候補から名前が消えた。

 しかし、陛下は雅子さまへの思いを温め続け、留学を終えて再会後、このような言葉を伝えられた。

「皇室に入られるということには、色々な不安や心配がおありでしょうけれども、雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」

 この言葉が雅子さまの心を動かし、結婚の決め手となった。陛下が自らの思いを託したお言葉が、迷いや不安を抱えていた雅子さまの背中を押してくれたのだった。

「一生、全力でお守りします」

 この言葉は有名になったが、皇室という特別な世界にはそれだけ大きな覚悟が必要であり、陛下の愛情あふれるお気持ちに触れて、雅子さまも前に進む決意をされたのだった。

■美智子さまがご結婚を決めた言葉

 上皇陛下ご夫妻が出会った頃は、皇族の結婚相手は華族や旧皇族以外に前例がなく、一般家庭から皇室に入ることは、国民のほとんどが想像すらしていない時代だった。

 上皇さまは記者会見でプロポーズの言葉について質問された時、その言葉をお答えにはならなかったが、上皇ご夫妻のキューピッド役を務めたご友人、織田和雄さんが後に明かしている。

その言葉は……

「公的なことが最優先であり、私事はそれに次ぐもの」

 この言葉に込められた意味は、いずれ天皇となる自らの公的な務めが第一で、私的なことは後回しになるため、我慢や不自由を強いることになるかもしれないが、その上でどうしても結婚して頂きたいという正直な思いであるのだろう。

 民間から初めて皇室に嫁ぐことに一抹の不安を感じていた美智子さまに、上皇さまはあえて厳しい言葉を伝えられた。しかし、この嘘偽りのない言葉に心を打たれ、皇室に入って上皇さま(当時は皇太子)をお支えしようと、美智子さまはご結婚を決意されたという。

 皇室に入る場合も、皇室から出て一般に嫁ぐ場合も、結婚に際しては相手が置かれた立場を深く理解し、自らの選択に生涯を捧げる、並大抵でない覚悟が求められる。

 それは皇室の方々に限らず、私たちの一般社会でも同様だろう。人生は長く、結婚生活では思わぬことに遭遇するかもしれない。眞子さまのご結婚相手にも、国民が共感し納得する、固い決意が伝わってくる言葉を発信していただきたいと願う。

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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