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新戦力が躍動。コスタリカとの2戦目で快勝したなでしこジャパン(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
フランスで磨かれた球際の強さと精神力が頼もしい熊谷(写真:アフロ)

4月9日(日)、キリンチャレンジカップでコスタリカ女子代表と対戦したなでしこジャパンは、11日(火)に非公開で2試合目を行い、5-0で勝利した。

新戦力が躍動。コスタリカとの2戦目で快勝したなでしこジャパン(1)

以下、試合後の選手、監督コメント。

【監督・選手コメント】

高倉麻子監督

ーー9日間にわたった合宿の、総活をお願いします。

アルガルべカップでは、攻守ともにやろうとしていたことが形にできずに苦戦した中で、今回はさらにもう一段階、上(のレベル)を目指して臨みました。トレーニングやコスタリカとの対戦の中で、攻守ともに、チームとしてやろうとしていたことが少し、表現できたと思います。今、女子サッカー界はどの国も成長していますし、コスタリカも伸びているチームで、今日の試合も前半は球際で負けている部分がありました。ただ、しっかり2試合勝つことができたことは評価したいです。

ーー2試合目では宇津木選手や阪口選手など、ベテラン選手が出場しなかった中で5-0で勝ちました。チームとして評価できるのは、どのようなところですか?

いろいろな選手が活躍している中で、若い選手が「自分も」という気持ちを持っていると思いますし、「自分たちがやらなければいけない」ということを感じているな、と感じています。誰かがいないと弱くなるチーム作りは絶対にしたくないですし、その中でも阪口や宇津木や熊谷には、経験を伝えながらより上にチームを引っ張っていってもらいたいと思っています。

ーー2試合を通じて8点を獲りました。その点はいかがですか?

一大会(アルガルベカップを)戦って、うまくいった場面や、失敗した場面を共有する上でみんなの会話が成立してきているので、同じ絵を描けるようになってきたという点では進んでいると思います。攻撃では常にアグレッシブに全員が関わっていく中で、いろんな選手が点を獲ったことは良かったですね。

ーーレギュラー争いについて、今後の展望をお聞かせください。

先に(スタメンで)出る選手も、後に出る選手もそう大差ないと感じていますし、それぞれの良さを考えて、どういう組み合わせが良いかということも試す中で見えてくると思います。選手はしんどいと思いますが、簡単にはレギュラーを取れない状況の中で、勇気を持って戦ってほしいです。それがなでしこを強くすると私自身は確信していますし、その戦いに勝った選手だけがグラウンドに立っていけるように、厳しさを持ってやっていきたいです。

ーー次の合宿までに、選手たちに課した課題はありますか?

これまでと変わらず、判断する力とテクニックをさらに磨くこと。身体の強さと、サッカーに対する知識を高めることですね。「心・技・体・知」のすべてにおいて、まだまだ学ぶことは多いと思います。

MF 猶本光

ーー1点目のゴールを振り返っていただけますか?

(サイドを崩した時に)マイナスのスペースが空きやすくなっていた中で、モミ(籾木結花)がうまく(パスを)流してくれて、エミさん(中島依美)がスルーしてくれました。キーパーが私から見て右に動くのが見えたので、左に流し込みました。

ーー決めた時の気持ちを教えてください。

なでしこでの初ゴールでしたが、できれば一昨日の(9日の)試合で決めて、熊本の皆さんに元気を与えられるような初ゴールにしたいなと狙っていたのですが、できませんでした。皆さんのお力をお借りして、次は(公式戦)初ゴールをお届けしたいです。

ーーチームで取り組んでいる守備については、どのような意識で入りましたか?

9日の試合を(ベンチから)見ていた時に、もっとFWがスイッチを早めに入れても良いんじゃないかなと思ったので、試合が始まる前に、(上野)真実とモミ(籾木)に、(ポジションを)セットできたら行ってほしい、と伝えていました。

ーー相手のプレッシャーはどのように感じましたか?

一歩目で、短い距離でもグンっとくる感じがあって、捕まったらパワーもあるので、間合いやタイミングを掴もうと思いながらプレーしていました。

ーー結果を出してホッとした部分もありますか?

全然、ないです。むしろ、(増矢)理花から3人目で抜けた1対1を外してしまったところと、最後に(中里)優が決めてくれた場面でも、もっと速く上がれていたらエミさんからのスルーでどフリーで打てたので、あと2点逃してしまった悔しさがあります。特に、1対1を外してしまったのは心残りですね。

ーー今後、代表で生き残っていくために、どのように自分のプレーを進化させていきたいですか?

試合に出たらもっと攻撃に参加して、ゴールを決めた位置まで行けるようにしたいです。それから、FWと絡みながら前に出ていくようなプレーや、ボールを奪いきるプレーを出していきたいです。

DF 熊谷紗希

ーー9日の試合と比べて上手くいった面は多かったのでしょうか?

そうですね。メンバーも違う中で、9日の反省も活かして、自分たちの良いところを出しながらチャレンジしようと臨んだ練習試合でした。もう1回やったらどうなるか分からないですが、チームとしてプレーできたことは確かだと思います。

ーーご自身もゴールを決めましたね。

練習試合だからカウントされないんですけどね(笑)。もちろん、本番(の公式戦)でも見せていきたい気持ちは山々なんですけれど、セットプレーでひとつ、点が獲れて良かったです。

ーーこの合宿を通じて、収穫と課題を教えていただけますか?

課題はやっぱり、球際での戦いですね。奪えるところで奪い切れないところや、自分たちがボールを持っている場面で寄せ切られてしまう場面がいくつかありましたし、そういった個のレベルアップは今後も必要です。収穫は、サイドからの崩しで何度もチャンスを作れていました。攻撃面のバリエーションを増やしながら、自分たちの良さを出してスコアにできたことは収穫です。

ただ、もっと上の相手にもそれが表現できるようにすることは常に意識して、自分のチームに帰ってそれぞれが取り組むことが大切だと思います。

ーー2試合を通じて、市瀬選手と中村選手とセンターバックを組みましたが、どのようなことを意識してプレーしましたか?

(市瀬)菜々だから、とか、(中村)楓だから、という風にはプレーを変えていませんが、2人とも前に強い選手なので、お互いの良さを出せるようにすることだけ意識していました。ラインコントロールも含めて、誰と組んでも同じパフォーマンスができるようにすることが重要だと思います。

ーーセンターバックを組む相方には、どのようなことを求めたいですか?

一緒に守っているので、結果的に失点しなければOKだと思います。その中で、迷わずやってほしいですね。私も自分にできることしかできないですから。菜々も楓も私も特長があって、お互いが分かっているはずだから、そういったところを出せるように、お互いを思ってやっていけたらいいなと思います。

ーーポジション争いの激しさについてはいかがですか?

それは今に始まったことではないです。大会に入ったら一つになりたいですが、練習試合や親善試合ではレギュラー争いや居残り競争もあります。普段やっていることがここ(代表)で出せるので、自分のチームで何ができるかということが一番大切だと私は思っています。私もやるべきことは変わらないですし、もっとやらなければいけないことがありますから。全員がそれを楽しめたら一つ上のレベルで会えるだろうし、変にプレッシャーを感じずにやることが大切だと思います。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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