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間もなくゴング!WBC暫定スーパーミドル級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 WBC暫定スーパーミドル級王者、デビッド・ベナビデス(26)vs.同級1位で、元IBF同級チャンプのケイラブ・プラント(30)戦のゴングが迫って来た。

 26戦全勝23KOのベナビデスは166.75パウンドで、

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 22勝(13KO)1敗のプラントも、167.25パウンドで前日計量をパスした。

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 両者は舌戦を続けてきたが、最終記者会見での両者の言葉をご紹介しよう。

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 まずは、暫定王者のベナビデス。

 「6ラウンドまでにケイラブの顎を折ってやるぜ。ハードに練習してきた。準備は万端だ。ヤツはデカい口を叩いているが、自ら墓穴を掘っている。試合後、野郎の顎がどうなっているか見てみようじゃないか。

 間違いなく俺の方がハードパンチャーだ。持っているパワーに上乗せして、さらに強くなった。これはボクサー対ファイターだ。俺が優位に立てる。ヤツは"真のスーパーミドル級選手"と戦う度にどこか痛める。今回は、この階級で最もパンチがあり、正確に相手を捉えるファイターとの一戦だ。何が起こるか分からないぜ。

 俺はこの試合に全力を尽くして準備し、当日を迎える。かつてはパンチ力に頼り、それほどハードなトレーニングしなかった。でも、今の俺は、本当に自分自身を作り上げた。マジで俺は危険だぜ。ケイラブは心配しなきゃいけない。

 俺は心底、ヤツが嫌いなんだ。黙らせてやるよ。おかげでモチベーションが上がった。毎ラウンド、ノックアウトを狙うつもりだ。

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 ケイラブはスピードがあり、よく動き回るいいボクサーだ。俺はこれまでリングで対峙した相手を全員傷付けてきたが、ヤツも同じだ。俺とケイラブの仲は知ってるだろ? あいつは本当に虫が好かない。これは間違いなく、遺恨試合だよ。それを誰もが見たがっているんだろう。

 俺たちは、互いに嫌悪感を剥き出しにしているが、本当にいいボクサーといいパンチャーが戦うクラシックな試合になる。ヤツはずっと逃げ回るだろう。俺は追い、捕まえるさ。猫とネズミのような展開になるだろう。

 勝者はすべてのベルトを賭けて戦うことができる位置に行く。俺に不安要素は無い。この試合に勝たないと、自分が望む場所に行けないしな」

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 プラントも言った。

 「ファンは、俺の手が上がる姿を目にすることになる。それは保証する。このビッグファイトのために懸命に汗を流した。あいつもそうだろう。当然のことだ。ベナビデスが体を絞ったことは、まるで気にならない。

 俺は小さい頃から規律正しく、一直線に歩んできた。ボクシングIQもあいつより高いし、経験もある。ボクサーとして自分の方が優れていることを証明する。俺は世界でもトップクラスの実力者だが、ベナビデスがこのレベルで活躍できるかどうかはまだわからない。試合当日にハッキリするだろうよ。

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 このファイトの勝者は、まさに頂点に立つ。今はカネロがその座に就いているが、いずれはその誤りを正さねば。今の俺には大きなモチベーションがある。まずは、ベナビデス戦で仕事を完了させる」

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 WBCスーパーミドル級タイトルを獲得しながら、体重オーバーでベルトを剥奪された過去のあるベナビデスが、166.75パウンドまで身体を削った点が気になる。

 さて、どんなファイトとなるか。必見だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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