台湾 2日連続台風直撃で、雨量1,000ミリ越え
台湾、二日連続台風直撃
週末、二日連続で台風が台湾に上陸しました。
台風9号が29日(土)に北東部を、そして10号が30日(日)に南西部を直撃したのです。
台北タイムズによると、24時間以内に二つの台風が台湾に上陸するのは1958年以来初めてのことだといいます。
台湾への影響
29日(土)から31日(月)朝までの降水量は、南部で1,070ミリとなった他、最大瞬間風速は36メートルにも達しました。
これまでのところ少なくとも111名がけがをしたと伝えられています。空の便も次々とキャンセルとなった他、一時50万世帯で停電が起き、またネギ・グアバ・バナナなどといった農作物にも大きな被害が発生しているようです。
台湾と同様、中国の福建省にも9号と10号が立て続けに上陸し、洪水や強風被害などが起きています。
雨の多い台湾
台湾は台風の常襲地域のひとつで、年間約2~3個の台風が上陸します。台湾には、富士山よりも高い玉山をはじめ、3千メートル級の山々が連なっています。
このため降水量が非常に多くなる傾向にあって、北部に位置する基隆(キールン)市は、年間で3,700ミリの雨が降り、世界で最も雨が多く、天気の悪い都市の一つと言われています。
台湾史上最悪の台風
台湾史上最悪の被害を出した、2009年の8号台風「モラコット」による雨量は、想像を絶するほどのものでした。
その雨量は、24時間で1,500ミリ、5日間では3,060ミリにも上りました。結果、大規模な土砂災害や洪水が発生し、死者・行方不明者は700名以上に及んだのです。
被害が拡大したことから、当時の行政院(内閣)が総辞職に追い込まれるなど大混乱となりましたが、モラコット以来、台湾では台風への防災体制の強化がより一層なされるようになりました。