“ミギータ”復活へ決勝満塁弾!ソフトバンク真砂勇介、2軍戦で広島野村から一発
6月6日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで広島と対戦した。
【6月6日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後】
広島 000012001 4
ソフトバンク 00014010× 6
<バッテリー>
【C】●野村(0勝1敗)、平岡、中村恭――坂倉
【H】○笠谷(5勝4敗)、椎野、五十嵐、S高橋礼(1勝0敗1セーブ)――谷川原
<本塁打>
【H】真砂2号 【C】高橋大5号、メヒア3号
<戦評>
ソフトバンクは同点の5回、2死走者なしから5番・江川、6番・川瀬の連打などで満塁とし、7番・真砂が左翼へ勝ち越しの2号満塁本塁打を放った。先発の笠谷は4回まで無安打無失点の好投。5回に同点弾を浴びるも真砂の一発で白星が転がり込み、ウエスタン・リーグ単独1位の5勝目をマークした。
その後、広島打線に追い上げられたが、7回途中からリリーフした五十嵐がピンチをしのぐ好投。高橋礼は1セーブ目を挙げた。また、打線でも川瀬が3安打1打点の活躍が目立った。(了)
真砂勇介「配球をイメージ。野村さんからは、自信になる」
6年目の真砂勇介外野手が見事な勝ち越し&決勝のグランドスラムを放った。
「打ったのはスライダーでした。今日の野村さんは真っ直ぐもカット系が多かったので、そのボールを意識して右中間に打つイメージで打席に入っていました。そこに緩めのスライダーだったので、上手くバットに引っ掛かってくれた感じ。最近は配球もイメージしながら打席に立てています」
ミギータ。柳田悠岐クラスのパワーを持つ右打者として注目を集めたのが昨年2月のキャンプのことだった。さらに遡って一昨年の10月~11月、メキシコで行われた「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」に23歳以下侍ジャパンの一員として参戦。全9試合において“若サムライ”の4番打者を務め、決勝戦の特大アーチを含む4本塁打と大活躍。日本を初代世界王者に導き、真砂は大会MVPに選ばれた。
当然のよう注目度も期待度も急上昇。キャンプでは同じ若手外野手の上林誠知と競い合うようにロングティーでサク越えをかっ飛ばしていた。
U23W杯でMVP、昨季は1軍デビューに初本塁打も
そして昨シーズンは待望の1軍デビューを果たし、8月3日のオリックス戦(京セラドーム)でプロ初安打初打点を会心のプロ1号本塁打をマークした。
だが、この頃、真砂はすでに右肩を痛めていた。8月16日に登録を抹消されると、以降は名前を聞く機会がめっきり無くなっていた。
「右肩の状態がなかなか上がらなくて、今年2月のキャンプでようやく35mくらいのキャッチボールが出来るようになったと思ったら、翌日からまた痛くなってリハビリに。しばらくは回復優先でバッティングや上半身系のトレーニングも全くできずに、精神的につらかったです」
今春のオープン戦では多くの若鷹たちが1軍に抜てきされ、大歓声の中でプレーする姿をテレビで見ていた。後輩の頑張りを喜びつつも胸の奥が締めつけられるような悔しさが何度も交錯した。
「ギータさんは凄すぎ。だけど目標に」
5月11日にようやく実戦復帰。3軍戦を経ずにいきなり2軍戦での出場だった。長いブランクだったが、復帰2戦目でタイムリーヒット。5月16日の阪神戦では今季1号アーチを放った。
この日の本塁打はそれ以来。「成績(46打数12安打、打率.261、2本塁打、8打点)も内容もまだまだです」と満足感はないが、「今は野球をやれている。楽しいです」と故障を乗り越えた者にしか分からない充実感と感謝の気持ちを胸に抱いている。
入団当初から身体能力の高さは折り紙つきだった。
「ギータさんは凄すぎ。だけど、そういう人を目標にしてやっていかないと、このホークスの外野陣では上(1軍)でポジションを掴めない。今日はいい投手から打てたし、自信を持ちたい」
広島は7日も1軍ローテ級の薮田が先発すると予想されている。「明日も、まずは1本打ちますよ」と笑顔で宣言した。
<写真は筆者撮影>