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4階級制覇の井岡一翔「海外でチャレンジして他団体のチャンピオンと戦いたい」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供(右)FUKUDA NAOKI 他全てスタッフ撮影

6月19日千葉・幕張メッセで、WBO世界スーパーフライ王座決定戦が行われた。井岡一翔(30=Reason大貴)が、同級1位のアストン・パリクテ(28=フィリピン)と対戦。

TKO勝ちで勝利を収め、日本人初の4階級制覇を達成した。激闘を終えた井岡が、一夜明け会見で、その喜びを語ってくれた。

激闘を終えて

一夜明けの会見では、肩の荷が降りてホッとした様子だった。

「大晦日から、張り詰めてやってきたので、勝って精神的にホッとした」と語っていた。

今回の試合について、「窮地の中でも楽しめた、余裕はないが、出し切って勝ちきった」

「気持ちで負けなかったので、成長できた実感があった」と語った。

試合前と違い、リラックスして記者の質問にも笑顔で答えていた。

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階級による戦い方

ミニマム級から階級を上げてきたにもかかわらず、4階級制覇という偉業を成し遂げた。

ボクシングは、階級制の競技で最軽量級のミニマム級(47.6kg)から、無差別級のヘビー級(90.7kg)まで17の階級に分かれている。

今回のスーパーフライ級は、52.1kgのため4.5kgほど体重を上げてきた計算になる。

たった4.5kgだが、ボクサーにとっては非常に大きい。

一つ階級が上がるだけで、相手の体格が大きくなりパンチ力から耐久力まで大きく異なってくる。

また、各階級によって勝つための戦術も変わってくる。

例えば、最軽量級のミニマム級になると、一発でKOすることがあまりない。手数とスタミナが重視される。

一つ上のライトフライ級になると、パンチの強さが上がりKO率も増えてくる。しかし、パンチをまとめてのKOが多く、一発で試合を決めることは少ない。

そして、フライ級になると更にパワーが上がり、一発のパンチでKOする選手も増えてくる。

今回、井岡がタイトルを獲得したスーパーフライ級では、フライとバンタムの間で一撃で試合を決める選手も多い。

この階級は、中南米やイギリス、アジアの選手層が厚く、競争も激しい。

階級を上げることの難しさ

階級を上げて勝ち続けるには、自分のスタイルを変化させていく必要がある。井岡も体格的には、フライ級あたりでKO勝ちが多かった。

その階級だと、出入りを活かしたボクシングでポイントを奪いながらタイミングをみてKOに繋げてきていた。

自分の間合いを活かして戦ってきた井岡だが、スーパーフライ級ではパワーが足りない。

そのため階級を上げるにつれ、戦い方を変化させてきた。今回の試合に向けて、ラスベガスで集中したトレーニングを行った。

課題であったパワー強化に努めてきて、フィジカル強化をメインにボクシングのベースを見つめ直してきた。

今回の相手のパリクテは長身の大柄な選手だったが、それに対応できるようなスタイルチェンジに成功した。

海外でチャレンジしていきたい

先を見据える井岡にとって、今回の試合は通過点だが、挫折を乗り越た喜びは大きい。

4階級制覇はアジアでも4人目の快挙で、フィリピンのマニー・パッキャオ、ノニト・ドネアと肩を並べる存在となった。

スーパーフライ級は、海外でも単独で興行が組まれるほど人気だ。

対抗王者として、

ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

カリド・ヤファイ(イギリス)

ヘルウィン・アンカハス(フィリピン)など、強豪が名を連ねる。

井岡も、「WBOのベルトを、海外に行くチケットとして、他団体のチャンピオンと戦いたい」

「海外でチャレンジして、自分の実力を証明していきたい」と語った。

ファンとしても、これから海外の強豪との戦いが観られるのは、非常に楽しみだ。

以前のインタビューで「世界タイトルを超越した選手になりたい」と話してくれたが、そのゴールに大きく近づいたのではないだろうか。

ボクシングは自分との戦いだ。

世界王者になっても、そこから新たな道が、続いていく。井岡の挑戦はここからがスタートだ。

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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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