「半端ない」暑さが襲う、ワールドカップ・ポーランド戦
侍ジャパンの大活躍で大盛り上がりのFIFAワールドカップ。強国相手に次々とシュートを決める日本選手の姿に、目頭が熱くなります。1次ラウンド突破をかけた第3戦の相手はFIFAランキング8位の強豪国ポーランドで、日本時間28日(木)午後11時から行われます。
平年を10℃も上回る暑さ
戦いの舞台となるボルゴグラード(旧スターリングラード)は、ロシアの中でも南西部に位置し、6月の最高気温の平均は27℃と比較的気温が高いところでもあります。
日本時間昨夜行われた、サウジアラビア対エジプトの試合もボルゴグラードで開催されました。湿度は24%と低かったものの、気温は35℃まで上昇しました。この暑さは、日本の試合が行われる28日(木)にかけても続き、最高気温は6月の平均を約10℃も上回る、36℃予想となっています。
夏でも涼しいポーランドの選手にとっては、日本選手よりも、さらに過酷な環境での戦いとなりそうです。
暑さがもたらす意外な影響
意外なことに、暑さは選手のプレーに有利に働くという研究結果があります。
2012年イギリス・エクセター大学のモアー教授らが、同じ11人の選手に、気温21℃の室内と43℃の屋外で試合をさせて、それぞれの気温のもとでの選手のプレーを分析しました。想像通り、43℃の時は21℃に比べて、選手の走行距離は7%も短くなりました。
しかし、その他の点では驚くべき結果となったのです。
まず、スプリントスピードは暑いほうが4%も速く、パスの成功率も暑いほうが高くなりました(21℃:66.1%、43℃:73.8%)。さらにボールの保有時間も暑い時の方が25%も長かったのです。
それだけではありません。試合前後に選手を走らせ、そのタイムを比べたところ、暑い時のほうが、試合前後のタイムの差が小さかったという結果も出ました。つまり暑いほうが、試合直後に速く走れたというのです。教授はその理由を、気温が高いと筋肉も温まって、走りのパフォーマンスに好影響に働くからと述べています。
意外にもこの研究からは、酷暑の時のほうが、選手が見事なプレーをしたことが証明されたのです。
蚊の脅威も
ただサポーターにとってはこの暑さは耐えられないものとなるでしょう。というのも、ボルゴグラードは湿地帯であるために蚊などが多く、今回のワールドカップでも蚊の大量発生が問題になっています。
虫の嫌いなバニラの香料をまくなど対策を行っているようですが、完全とは言えないでしょうし、暑いのになかなか肌を出せないとなると、厳しさはひとしおでしょう。こまめに水分をとって直射日光を避けるなど、十分な熱中症対策が必要です。
(↑対策をとる人)