『スラムダンク』を模倣しスチール(盗作)した韓国漫画家の呆れた弁明に喝!!
またもや韓国発の模倣騒動が起きてしまった。今度は漫画。それも日本はもちろん、韓国でも絶大な人気を誇る『スラムダンク』が対象だ。
韓国の漫画家キム・ソンモのウェブトゥーン漫画『高校生記録』に、『スラムダンク』と酷似している場面が多数存在していることが発覚したのだ。それも「ちょっと似ている」どころではなく、トレース(書き写し)したのではないかと疑いたくなるほどの明らかな模倣で、韓国でもちょっとした話題になった。
(参考記事:【画像比較】韓国漫画家が『スラムダンク』模倣疑惑で大炎上!!その呆れる“言い逃れ”に喝!!)
韓国でも根強い人気を誇る『スラムダンク』
というのも、『スラムダンク』は韓国でも絶大な人気を誇っている作品だ。
韓国では1997年に男子プロバスケットボールリーグのKBLがスタートしているが、その背景には『スラムダンク』の影響もあったと言われている。
また、韓国で初めて韓国語翻訳版が出版されたとき、ほとんどの登場人物に奇妙な変更が加わっていたため、一昨年にはそれに反発したファンたちの要望に応える形で“オリジナル完全版”なるものまで発表されているほどなのだ。
(参考記事:桜木花道は「カン・ベクホ」!? 韓国でもバスケブームを巻き起こした『スラムダンク』のすごさ)
そんなロングラン・ヒットを続けている『スラムダンク』が模倣されただけに、韓国の『スラムダンク』ファンたちも黙ってはいない。そもそも『高校生記録』と『スラムダンク』が酷使していることが明らかになったのも、複数のオンラインコミュニティで指摘されたことがキッカケだったほどだ。
呆れた弁明。なぜ模倣・パクリ騒動が続くのか
こうしたファンたちの指摘と反発を受けて、『高校生記録』の作者であるキム・ソンモ氏は自身のフェイスブックで「漫画家になる前に作家のデッサンマンになりたくて『スラムダンク』を30冊ほど書き写していた。私の作品は“似ている”という指摘をよく受ける」と釈明。
しかも、「画風が似ていることは、脳より手が先に動くことなので理解してほしい」とした。
“韓国アニメ黒歴史3部作”のひとつで『ワンピース』を模倣した『ワピース』の制作者も、かつて「絵を少しでも知っている方が見れば、盗作でないことはわかる」と開き直ったことがあったが、キム・ソンモ氏の弁明はかなり無理があったと言わざるを得ないだろう。
それにしてもなぜ、韓国で日本コンテンツの模倣・パクリ疑惑があとを絶たないのだろうか。
一昨年は『千と千尋の神隠し』に類似したアニメ映画『月光宮殿』が論争を呼んだし、昨年12月にはピカチュウに酷似した“黄色いウサギ”のキャラクターが韓国特許庁に登録された。日本で大ヒットしたドラマ『逃げ恥』とキャラクター設定がそっくりなドラマも放映されている。
(参考記事:ピカチュウに『逃げ恥』まで!? なぜ韓国で日本コンテンツのパクリが絶えないのか)
ついに先日も、日本の『マジンガーZ』と韓国の『ロボット テコンV』を巡ってちょっとした騒動が起きている。
両作品が酷似しすぎていることは韓国でも有名で、かなり以前から論争の種になってきたが、7月31日に韓国の裁判所が「テコンVはマジンガーZの模倣物ではない」という判決を下したことで、日韓でふたたびこの問題が再燃している。
韓国の30代後半から40代の中年男性たちの中には、今でも『テコンV』や『蹴球王シュットリ』が日本ではなく韓国生まれのオリジナル・コンテンツだと認識している者も多い。
彼らの多くが1998年の「日本大衆文化開放」以前に少年時代を過ごした世代だけに致し方ないところもあるが、現在はインターネット全盛の時代である。
インターネットの普及によって他国のコンテンツにも容易に接することができ、読者や視聴者たちの目も多様化して情報も速いご時世に、模倣やパクリが発覚すれば騒動どころか大炎上することは火を見るよりも明らかなことだけに、『高校生記録』の作者キム・ソンモの漫画家としてのモラルを疑わざるを得ない。
ウェブトゥーンは連載打ち切り決定
ただ、それでも唯一の救いとなったのは、事態発覚後に『高校生記録』を配信していたネイバーウェブトゥーン社が連載打ち切りを決めたことだろう。
「他作品と類似した点が多数発見され、これを未然に防止できなかった点について責任を痛感している」というのがネイバーウェブトゥーン社の見解だ。
「Web」と「Cartoon(漫画)」を組み合わせた造語であるウェブトゥーンは、今や韓国では動画配信サービスを凌ぐほどの人気コンテンツになっている。市場規模は毎年のように膨れ上がり、2020年には1兆ウォン(約1000億円)に達すると予測されているし、ウェブトーンを原作にしたドラマや映画も増えている状況だ。
そんなウェブトゥーンの世界で模倣やパクリが横行すれば、右肩上がりの成長を鈍化させるだけではなく、そのイメージにも大きな傷がつく。
そういった危険の芽をすぐに摘み取ったことは評価できるが、今回の件で失望した読者や世間は“監視の目”を光らせるかもしれない。
いずれにしても、模倣やパクリはクリエイターとしてあるまじき行為だ。作品へのリスペクトを欠いているどころか作品への冒涜でもあるだろう。これを機に韓国発の模倣騒動がなくなることを願うばかりだ。