台風21号、本日中(22日)に発生か
昨日(21日)夜、気象庁は、台風発生の予測情報を発表しました。
「【熱帯低気圧情報:21日21時発表】マリアナ諸島(142.4E,14.8N)にある熱帯低気圧は、24時間以内に台風へ変わる見込みです。」
現在、この熱帯低気圧はグアムやサイパンの西の海上を西進しています。もし台風に変わった場合、台風21号(国際名:ドゥージェン・中国語でつつじの意)となります。
日本にも影響か
今後どのように進むのでしょう。
まだ、発生していない段階での予測はできませんが、米軍合同台風警報センター(JTWC)の予報によると、台風は強まりながら北西に進み、27日(日曜)には南大東島に接近、最大瞬間風速は65メートルにも達するとのことです。この予測通りだとすると、週末から来週初めにかけて、西日本に影響が出そうです。
しかし一方で、ヨーロッパ中期予報センターは全く異なる予測を出しています。台風は28日(月曜)には関東地方のすぐ南の海上に到達。ただ上陸せずに、偏西風に乗って、東へと進路を変える計算結果となっています。週末に関東地方などで影響が出ると予測しています。
今後の台風情報に、十分ご注意ください。(気象庁発表の台風情報はこちら)
※ 米軍合同台風警報センターとヨーロッパ中期予報センターの予測はあくまでも参考で、気象庁の予測とは関係ありません。
活発な2015年の台風シーズン
よく言われているように、今年は平年を大きく上回るペースで台風が発生しています。例年だと、9月後半までに発生する台風の数は18個ですが、今年はすでにそれを上回っています。しかも、上陸や接近台風も多く、台風17号や18号のように離れていても大きな被害が起きたりもしています。
10月以降が巨大台風のシーズン
秋〜冬は、気温が収まって台風も弱まるかと思いきや、実はその反対で、この時期こそ台風に注意しなくてはなりません。フィリピンなどに甚大な被害を出した、2013年の台風30号(ハイエン)も、その前年の台風24号も、はたまたその前年の台風21号も、全てが秋以降に発生しています。台風の発生する北半球の赤道付近の海上では、夏よりも後に海水温が上がるのです。
「グレースワン台風」の恐怖
ほとんどありえない事象、または誰も予想しなかった事象のことを「ブラックスワン」と言います。例えば、中心気圧700hPaの台風、または風速200メートルの台風というのは、まさにこれ。どんなに天変地異が起きようと、起こるはずがありません。
最近、海外の気象学者らの中で話題にされている造語があります。それは「グレースワン(Gray Swan) 」。これは、前例はないけれども、理論上起こりうる事象のことです。
グレースワンの代表格が、アメリカに未曾有の大惨事を引き起こした、ハリケーン・カトリーナや、スーパー台風・ハイエンです。これらの歴史的な台風は、実は、全く予想し得なかったことではないようです。
日本にとってのグレースワンの例は、気象庁気象研究所と名古屋大学が発表した、この予測ではないでしょうか。
残念なことに、温暖化の進行によって、今後グレースワンの台風が増加することが予想されています。巨大台風シーズンを目前にして、とんでもなく恐ろしいグレースワン台風が発生しないことを願うばかりです。