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怪我から復帰目指す日本代表のリーチ マイケル、同性愛差別へ反対声明。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
15日は、他の故障した選手のスキル練習にも付き合った。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今年9月のラグビーワールドカップ日本大会開幕を前に、ファンを悲しませるニュースがあった。強豪オーストラリア代表の中心選手だったイズラエル・フォラウが、母国協会から代表選手としての契約を解除された。SNSで同性愛者に差別的な内容を投稿したため。

 それに対して公で見解を示したのが、日本代表キャプテンのリーチ マイケル。自身のSNSアカウントで「本人に届けば」という願いのもと「人は皆が同じではない」などと英語で声明を出した。

 4月15日、千葉・アークス浦安パーク。日本代表候補が集まるラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプ第7クールが始まった。

「ウルフパック」と名乗る代表候補チームは、20日のハリケーンズB(千葉・ゼットエーオリプリスタジアム)戦に向けて調整中。かねてより出場が期待されていたリーチは、疲労した恥骨のリカバリーのためこの日の練習を見学のみで引き上げた。その後は共同取材に応じ、チームや自身の現状、フォラウへのメッセージへの思いを語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――身体の状態は。

「9割。3週間リハビリしていて、順調です」

――今回の合宿で選手に伝えたことは。

「ないです。今回のリーダーシップグループはしっかり準備をしているし、色々と予想して考えているから。特に(こちらが)やることはないです。ただ一生懸命リハビリをして、早くチームに合流したいです。きょう、走って、明日の朝痛くなっていなかったら、このまま継続して(調整する)。

 聞いている限りでは皆、一生懸命やっていて、そんなに、僕の重要性はないと思います(周囲、笑う)。

 もともとキャプテンをやっていた時も、(他のリーダーが主体的だったため)特別にすることはなかった。今回、姫野(和樹)が(自身の代わりに)キャプテンをした時も同じ」

――次戦、どんなゲームにしたいか。

「前回、ハリケーンズBとやった時は1日半のみの準備期間で試合を臨んで、色々と難しい部分があった(3月29日、ニュージーランド・ポルリアのジェリー・コリンズスタジアムで31―52と敗戦)。今週はしっかりと言い準備をして、本当の力を出す。

 期待することは、いい試合をした後にどんな試合をするかです(4月5日、ニュージーランド・ダニーデンのフォーサイス・バー・スタジアムでハイランダーズBに46―21で勝利している)。いい試合をした後に安心しないこと。今週、どういう試合をするかが大事。メンタリティもそうだし、1週間の準備の仕方(も重要)」

――チームから離脱中、2試合とも観戦したか。

「2試合目は観られました。やろうとしていることがはっきり見えてきました」

――実戦復帰はいつか。

「来週、行きたいです(4月27日、ウェスタン・フォースと東京・秩父宮ラグビー場で対戦。一方、国際リーグのスーパーラグビーでは日本のサンウルブズも活動中)。でも、無理はしない」

――秩父宮の試合は、無料試合となります。

「観ている人にとっては嬉しいんじゃないですか。ウルフパックはほぼ日本代表だし、(対戦相手は)世界トップ(クラス)のチームも見られる。…でも、無料ってことは、人がいっぱいになったらストップなんですか? 早く行ったら、どんな席でも観られる。早い者勝ちです」

――改めて、フォラウ選手へのメッセージについて。

「日本語で何て言うかわからないですけど、セクシャリティに関して発言をする必要はないと。バイセクシャルでも、ゲイセクシャルでも、人に謝る必要はない。それらを『だめ』と言うのは、よくないんじゃないかと思います」

 ラグビーは、ポジションごとに異なる役割が求められることから多様性のスポーツと言われている。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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