署名運動、国民公募もあった平昌五輪の公式マスコットついに発表。韓国ネット住民の反応は?
2年後の2018年に韓国・平昌(ピョンチャン)で行なわれる冬季五輪および冬季パラリンピックの公式マスコットが発表になった。平昌冬季五輪組織委員会が6月2日に発表した公式マスコットの名は、“スホラン”と“バンダビ”。“スホラン”は白虎、“バンダビ”はツキノワグマをモチーフにしており、それぞれネーミングにも意味があるらしい。
(参考記事:平昌オリンピック&パラリンピックの公式マスコット発表。白虎とツキノワグマに込められた意味とは!?)
IOC(国際オリンピック委員会)やIPC(国際パラリンピック委員会)の関係者はもちろん、一般層の反応も「コロコロしていてかわい過ぎる」「クオリティは高いんじゃないのか」と、反応もまずまずだそうだが、実は平昌五輪の公式マスコット選定までにはかなり時間がかかった。
そもそも平昌冬季五輪の誘致が決まったのは2011年7月。そのときに真っ先に公式マスコットとして候補に上がったのは、韓国で絶大な人気を誇る児童アニメ『ポンポンポロロ』だった。主人公ポロロは氷上スポーツとの関連性が高そうなペンギンの男の子で、いつも被っている帽子には“Pyeong Chang(平昌)”と同じ“P”の文字があったこともあって、ネット上では「ポポロを平昌五輪の公式マスコットにしよう」という署名運動まで展開されたほどだった。
2014年6月には平昌五輪組織委員会が全国民を対象にマスコットのアイディアの公募も実施。当初は当選作を公式マスコットにする予定だったが、当選作を決められずそれもお流れに。なかなか決めならなかった。
1988年ソウル五輪の公式マスコットとなった“ホドリ”が大会5年前の1983年に決まったことを引き合いに出しながら、「平昌五輪マスコット選定はなぜこんなに遅いのか」というオピニオン記事が、大手新聞の『朝鮮日報』に掲載されたほどだった。
そんな厳しい指摘にさらされながら、平昌五輪組織委員会は韓国国内の専門家たちと約3年間かけて秘密裏に公式マスコットのデザインを進め、今回の決定に至ったというが、前述のようにすべての国民たちが今回発表になったデザインに納得しているわれではないらしい。日本でも2020年の東京五輪の公式エンブレムを巡って盗用疑惑が起きたり、新しく発表された「組市松紋」の新エンブレムにさまざまな意見が飛び交ったが、韓国でも賛否両論があるようだ。
(参考記事:トラブル絶えない東京五輪、問題山積みの平昌五輪。日韓が抱える五輪ジレンマの解決策はあるのか)
「ポロロのほうが100倍かわいい」「五輪を通じてポロロを世界的キャラクターに成長させる機会をみすみす放棄してしまった」といったものから、「スホランはどこか残念。同じ虎でも88年ソウル五輪のホドリのほうがいい」「虎がいいのならいっそのこと、ホドリにしたらどうか」といった意見まで出ているというのだから、組織委員会としては頭が痛いところだろう。
ちなみに今回の公式マスコット発表に一役買ったのが、韓国が誇る“フィギュア女王”のキム・ヨナだ。平昌五輪の広報大使を務める彼女がスホランとパンダンビを手にした写真が全世界に配信された。現役を引退して2年が過ぎたが、相変わらずの人気ぶりである。
(参考記事:韓国のフィギュア女王キム・ヨナは今、何をやっているのか)
先週6月3日からはキム・ヨナ自身の会社といってもいいオールザッツスポーツ社が開催したアイスショーの会場に降臨。スケートを滑ることはなかったが、ファンたちの交流の機会を持ち、近況も報告している。
なんでも最近は平昌広報大使として活動する傍ら、高麗大学の大学院に通っているという。また、最近、自動車の運転免許も取り、その運転映像を見せながら「まだ免許取立てですが、私は運転がうまく素質もあるようです」と語って笑わせたという。4月には韓国プロ野球の開幕戦の始球式も務め、[意外な投球フォームを披露してニュースになったキム・ヨナだが、もしかすると運転テクニックも相当な腕前かもしれない。
もっとも、そんなキム・ヨナも今回の公式マスコットについては今のところ言及せず。同じ平昌五輪を世にアピールする役目を担っているだけに遠慮しているのかもしれないが、現時点ではスホランやバンダビよりも、キム・ヨナの顔と名前のほうがメジャーで世界的にも有名だろう。いっそのこと、平昌五輪の公式マスコットはキム・ヨナでもいいのではないか。そう感じている韓国人も少なくないような気もするのだが。