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台風18号 今年最強クラスで週明けにかけて本州接近・上陸も

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象衛星2014年10月3日13時半 (気象庁HPより)

台風18号 非常に強い勢力を維持したまま大東島へ

大型で非常に強い台風18号は、暖かい海から水蒸気のエネルギー補給を受けて、3日、発達の最盛期を迎えています。4日には、中心気圧が930ヘクトパスカル、非常に強い勢力を保ったまま沖縄・大東島へかなり接近する見込みです。大東島では、最大瞬間風速が65メートルの予想で、トラックが横転、民家が倒壊するほどの猛烈で記録的な風が吹き荒れるおそれがあり警戒が必要です。

(※必ず、最新の台風経路図を参考にしてください→http://www.jma.go.jp/jp/typh/

本州付近への影響 今年最強クラスで接近か

5日(日曜日)には発達のピークは過ぎますが、まだ非常に強い勢力を保ったまま、西日本に接近。その後、6日(月曜日)にかけて上空の偏西風に乗り本州に接近、もしくは上陸のおそれもあります。今年、本州付近に接近した台風の中では、最強クラスと言えるでしょう。6日の段階でも、950ヘクトパスカル前後でまだ強い勢力を維持する見込みです。九州付近まで海水温が高いうえに、本州付近に近づくとスピードを上げるために、あまり衰える時間がなく強い勢力で通過していきそうです。

気象庁HPより文字加工(2014年10月2日)
気象庁HPより文字加工(2014年10月2日)

上陸しなくても警戒

現時点では、台風の予想接近時間に最大で半日程度の誤差があり、コースも予報円の中心付近を通るか、それより北か南か、上陸するかは、はっきりしません。でも今回の台風の特徴は、秋台風の典型的なパターンで、日本に近づくと偏西風に乗り足早に駆け抜けていきます。なので、夏台風のように迷走することはなく、4日以降は本州への進路がはっきりしてくる見込みです。どんなコースを通っても、大型で勢力が強く本州に近づく可能性は高いので、影響が出そうです。さらに、北の高気圧が強く、高気圧との気圧差も大きいため、強風範囲も広く、今年接近した中で、最も強い風をもたらしそうです。

上陸しなくても、大雨と暴風をもたらす危険な台風ということで、本州付近は晴れる4日土曜日のうちに、飛ばされやすい物の片付けや避難場所の確認、停電への備えも済ませた方が良さそうです。

また、関東など東日本の接近は、6日(月曜日)の予想で、通勤通学の足への影響、学校も休みになる可能性もあります。まだ今の段階では、具体的な影響や接近時間ははっきりしませんが、今のうちに、会社のシフトをどうするか、共働きの方は学校が休みになった時の子供の預け先なども、大まかに考えておいた方が良いかもしれません。

秋台風は発達しやすい

国立情報学研究所 デジタル台風HPデータ参考
国立情報学研究所 デジタル台風HPデータ参考

台風のエネルギーは水蒸気なので、海が暖かいほど発達しやすいのですが、海は空気より暖まりにくいので、水温は真夏よりも秋の始めの方が年間で最も高くなります。このため、この時期の台風は、今回の18号のように南海上で急速に発達しやすいのです。過去の資料を調べると、非常に強い台風の目安である940ヘクトパスカル以下に発達した台風は9月10月に集中しています。10月後半になると、日本付近は冷たい空気が優勢になってくるので、なかなか日本に近づけないのですが、高気圧の強まり程度や、偏西風の位置によっては、まだ日本に襲来する可能性があります。

そして、次の台風も発生する予想が…南海上は対流活動が活発で、積乱雲が発生しやすく、4日までに台風19号が発生する予想です。こちらも発達しそうなので、来週後半以降は、次の台風にも注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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