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5月としては異例の発達 スーパー台風2号 来週日本に影響か

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
SUPER TYHOON2号の衛星画像 米軍合同台風警報センターホームページより

台風2号は、24日(水)、グアム島を直撃し、西へ進んだ後、今週末以降は次第に北上する見込みです。

最強レベルのスーパー台風にまで発達

台風2号は、5月としては珍しく「スーパー台風」にまで発達しています。「スーパー台風」とはアメリカの米軍合同台風警報センターの台風の強さの分類で、最も強いレベルの台風が「スーパー台風」と定義されています。

通常台風は27度以上で発達するといわれていますが、現在、台風2号が進む海域は平年より水温が高く、29度から30度以上になっています。暖かい海から大量の水蒸気を補給し、さらに発達する見込みです。

「スーパー台風」は日本の台風の分類にはありませんが、気象庁の予報でも一番強いレベルの「猛烈な台風」にまで発達する見込みです。28日(日)には、中心気圧が905ヘクトパスカルまで低下、5月にここまで気圧が下がれば、統計史上初めてのことになります。

ウェザーマップ提供(台風進路図とオレンジ色は海水温29度以上)
ウェザーマップ提供(台風進路図とオレンジ色は海水温29度以上)

台風2号 今後の進路は 来週明けに沖縄接近のおそれ

台風2号は週末にかけて、太平洋高気圧の縁をまわる風に流され、西寄りに進む見込みです。来週29日(月)には、那覇の南まで北上し、先島諸島が暴風域に入るおそれがあります。

その後の進路は気象庁の台風予報では出ていませんが、各国のコンピュータの計算を見ると、北上はするものの、進路はバラバラで、どこに行ってもおかしくない状況といえます。来週明けに沖縄への影響はありそうですが、本州付近まで北上してくるかどうかはまだ不明です。ただ、もし本州付近まで北上したとしても、スーパー台風の勢力のまま接近することはないでしょう。

5月は通常なら台風シーズンではありません。

地球全体で、大気も海も温暖化している状況では、これまでなかったようなことが起きてもおかしくないのかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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