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ベゼルフリーになるiPhone 8

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

先頃、米アップルが来年発売するiPhoneについて、米金融大手JPモルガンのアナリストらが調査ノートで報告したと伝えられたが、ここに来てこうした次期iPhoneに関する情報が続々と入っている。

5インチと5.8インチ版登場か

米マックルーマーズ(MacRumors)などの海外メディアの報道によると、iPhoneの2017年モデル(通称:iPhone 8)は、ディスプレーの端部分がカーブした、ベゼルのないデザインになる見通し。

アップルは現時点で、次期iPhoneのデザインについて最終決定したわけではないという。だが、先週アジアに出張調査に行った英金融大手バークレイズのアナリストらは、このほど出した調査ノートでそう報告している。

それによると、iPhone 8は現行のiPhone 7シリーズなどと同じく、2つの本体サイズが用意される。

そして、小さいモデルの画面サイズは、これまでの4.7インチから5インチに、大きいモデルも同様に、これまでの5.5インチから5.8インチへと、いずれも0.3インチ(約7.6ミリメートル)大きくなるという。

本体サイズはそのまま

こうして画面は大きくなるものの、ディスプレー部分が縁のないデザインになるため、本体サイズは従来のままだとアナリストらは報告している。

さらに、アナリストらは、かねて噂されているiPhone初のOLED(有機EL)ディスプレー採用について、iPhone 8の大型モデル(5.8インチ)のみに搭載される見通しだとも報告している。

なお今回のバークレイズの調査ノートは、台湾KGI証券のアナリスト、ミン・チー・クオ氏が先に報告していた内容を裏付けるものだと、マックルーマーズの記事は伝えている。

クオ氏は、独自の調査でアップルの新製品やその発売時期を当ててきたことで知られるアナリスト。

同氏は今年3月に出した自身の調査ノートで、来年発売されるOLEDディスプレー搭載iPhoneは、画面サイズが5.8インチと若干大きくなるが、ベゼルが狭くなるため、本体サイズは現行の「Plus」シリーズよりも小さくなると述べていた。

ホームボタンの廃止と遠隔無線充電

iPhoneの2017年モデルについては、このほかにも様々に報じられている。例えば、本体の下にあるホームボタンは廃止され、Touch IDの指紋認証スキャナーはディスプレー部分に組み込まれる。

現在ホームボタンで行っているそれ以外の操作は、ディスプレーを強押しする「3D Touch」で行うようになるといった観測も流れている。

また、アップルは米エナゴウス(Energous)という企業と協力し、iPhoneに遠隔無線充電機能を組み込もうとしているとも伝えられている。これにより、ユーザーは毎日iPhoneをUSBケーブルを介して電源アダプターに接続しなくてすむ。

米BGRの記事によると、充電が可能になるiPhoneと給電用ベースステーションの距離は15フィート(約4.6メートル)以内。

これは比較的短い距離ではあるが、実現すればユーザーは自宅やオフィスなどで、iPhoneを使用しながら、あるいはポケットに入れたまま、机に置いた状態でも充電でき、便利になるだろうとBGRは伝えている。

JBpress:2016年11月15日号に掲載/原題「「iPhone 8」は縁なしデザインに ディスプレーは約7.6ミリ大きくなる見通し」)

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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