梅雨明け猛暑の一方で、気になる南の熱帯擾乱の動き
新たな低圧部が発生し北上か?
関東などの梅雨明けも秒読みになっていて、来週にかけて終わりの見えない猛暑が続くおそれがある一方で(関連記事)、南の海上から気になる熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が北上してくる可能性があります。
タイトル画像をみると、現在、フィリピン付近に低圧部が発生していて、さらにその東海上で、予想天気図にあるとおり、あす18日(木)午前9時までに新たな低圧部が発生する予想です。その後、フィリピン付近の低圧部は消滅する予想ですが、新たな低圧部はあさって19日(金)にかけて、ゆっくりと北上する見込みです。
ここで低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱のことで、中心付近がハッキリと推定できるようになると熱帯低気圧に呼び名が変わります。新たな低圧部が熱帯低気圧に変わるかなど、あさって19日(金)以降の動きが気になるところです。
太平洋高気圧が強まる一方で、気になる熱帯擾乱の動き
上図は来週22日(月)昼の太平洋高気圧の予想です。引き続き、関東から九州、沖縄にかけて、太平洋高気圧に覆われた状態が続きますが、その一方で、沖縄の南にはぽっかりとした穴が開いていて、このあたりに先述した低圧部などの熱帯擾乱が進んでくる予想となっています。
GSM予想はあまり発達せず、沖縄の南を西進
決定論的計算とも言われるGSMの予想は上図で、この熱帯擾乱はあまり発達することなく、沖縄の南から台湾の南へ西進していく予想です。このような予想でまとまっているならば、あまり気になる要素はないのですが、アンサンブル予報や諸外国の予想の中には、気になる計算結果が多数存在しています。
気になるアンサンブル予報
上図はアンサンブル予報で、赤い小さな丸が低気圧(台風などを含む)の中心を表し、青い小さな丸が高気圧の中心を表していて、その丸が大きいほど、低気圧や高気圧が強まる予想となっています。
アンサンブル予報によると、来週22日(月)から23日(火)にかけて、沖縄付近にやや大きな赤い丸がまとまっていて、これはフィリピンの東を北上してきた熱帯擾乱が発達しながら、おそらく台風の勢力として、沖縄付近を北上する計算が少なからずあることを表しています。諸外国の計算でもこのような予想が一定程度見られる状態です。
台風として沖縄付近を北上は3割から4割程度
参考までに、来週23日(火)午後3時のアンサンブル予報の一部を抜粋したものが上図で、左図はまさにGSM予想を表し、目立った熱帯擾乱は発生していません。
一方、真ん中は台風とみられる勢力で沖縄付近に近付き、右図はさらに最も強まる台風として、沖縄付近を北上する計算となっています。
もちろんこれは参考で、熱帯擾乱はあまり強まらずに沖縄の南を西進する可能性も十分にありますが、台風とみられる勢力で、沖縄付近に近づく計算も3割から4割程度ありますので、今後の予想にご注意ください。