関東中心に終わりの見えない猛暑が始まる、高い海水温も猛暑を助長か
太平洋高気圧が張り出す
この1週間程度は梅雨末期の状態が続き、梅雨前線による大雨が主体となっていましたが、いよいよ本格的な盛夏、猛暑期の到来が秒読みとなってきています(関連記事)。きょう17日(水)は九州南部で梅雨明けの発表がありました。
上図は上空5500メートル付近の高度の平年偏差(5日移動平均)を示したもので、黄色やオレンジ色が濃いほど高度が高く、高温傾向となる可能性が高い領域で、日本付近は来週にかけて、高高度域にスッポリと覆われた状態が続きます。特に5880メートル高度線で囲まれた領域が太平洋高気圧の圏内におおむね相当し、来週はもちろん、再来週にかけても関東以西では太平洋高気圧に覆われた状態が続く見込みです。
高い海水温も猛暑を助長か
太平洋高気圧に覆われて、強烈な日差しで気温が上がるのはもちろんですが、日本周辺の海水温の高さも高温を助長するかもしれません。現在、日本周辺は平年より高いことを示す赤色の海域が広がっていて(右図)、特に沖縄付近から北緯30度付近まで30度以上というこの時期としては極めて高い海水温の状態となっています。
この高い海水温の影響もあってか、沖縄では記録的な猛暑となり、那覇では108年ぶりに3日連続の猛暑日を観測しました。強烈な日差しに加えて、この高い海水温が今後本州付近の猛暑を助長し、拍車をかけるかもしれません。
関東から九州は猛暑日が続く
関東から九州にかけては、この数日以内に猛暑期がおとずれ、上図のように来週にかけて、ほぼ35度以上の猛暑日が続く見込みです。
特に関東甲信は体温超えの危険な猛暑のおそれ
特に関東甲信地方では、上空の暖気と強烈な日差しで気温が上がるのはもちろん、山越えの南西風や西風がフェーン現象を起こしやすく、内陸では連日37度以上の体温超えの危険な猛暑が続くおそれがあります。
高温確率がかなり高い
上図は気象庁から発表されている2週間の気温予報ですが、来週24日(水)頃を中心とした5日間平均で、関東甲信を含む多くの所で、平年よりかなり高い確率が50%以上と計算されています。
かなり高い確率というのは、その期間において、30年に3年程度の高温になる可能性があることを表していて、単純には10年に1度程度の高温になる可能性と表されることが多いのですが、10年に1度どころか、数10年に1度、あるいは観測史上最も高くなるような可能性も十分に想定内の状況です。
7月下旬といえば、梅雨が明けて、1年で最も暑い時期を迎えるため、暑くなるのは至極当然といえばそれまでですが、終わりの見えない危険な猛暑がしばらく続く可能性があり、熱中症には厳重な警戒が必要です。