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北日本の上空は1日に20度も劇的急降下へ、週末は紅葉に雪が降るような寒さに十分注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
紅葉に雪(写真:イメージマート)

1日で20度も劇的大幅ダウン

上空1500メートル付近の気温と平年差(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温と平年差(ウェザーマップ)

日本付近は、きょう16日(水)も季節外れの暖かさが続いていて、東京都心は5日連続で25度以上の夏日となり、九州では30度以上の真夏日が続出する暑さとなっています。ところが週末には大陸からこの秋初の寒気が到来し、いったん高温状態に終止符が打たれることになりそうです。

上図は上空1500メートル付近の暖気と寒気の予想です。赤色が濃くなるほど平年より高く、青色が濃くなるほど平年より低いことを表しています。すると、19日(土)午前3時の段階では、全国的に赤一色で、特に北日本は平年より10度前後も高い濃い赤色に覆われています。ところが1日経った20日(日)午前3時には北日本で青一色となり、わずか1日で上空の気温は、実に20度も劇的に急降下する所がありそうです。

どこで雪が降る?

上空1500メートルの気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートルの気温予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の寒気がピークとなる20日(日)朝の予想です。北海道は-6度以下の寒気に覆われていて、これは内陸を中心に、平地でも雪が交じり始める気温です。そして東北北部は-3度以下で、標高500メートル程度以上、また東北南部は0度以下で、標高1000メートル程度以上で雪が降る可能性があります。全般にひと月先の強い寒気に覆われるでしょう。

北海道は初雪の便りも?

予報と予想気温(ウェザーマップ)
予報と予想気温(ウェザーマップ)

11月並みの寒気の到来で、19日(土)は北日本で、夜にかけて、北風が強まるとともに、急激に寒くなるでしょう。稚内や旭川では20日(日)にかけて、初雪が舞う可能性があり、層雲峡など、山沿いや山間部ほど、積雪となる可能性もあります。

また青森県八甲田山麓の酸ヶ湯(標高約900メートル)では、19日(土)の午後から急激に冷え込み、20日(日)朝にかけて、氷点下となるでしょう。雨マークが付いていますが、おそらく雨は次第にみぞれや雪に変わり、八甲田山では、雪の積もる所も出てきそうです。

今、北日本の紅葉は、北海道の内陸で見頃を迎え、東北でも標高1000メートル程度の所で見頃や最盛期となってきましたが、今週末は一転、紅葉に雪が舞う所も出てきそうですから、急にやってくる冬の寒さに要注意です。

関東では最も遅い真夏日も?

予報と予想気温(ウェザーマップ)
予報と予想気温(ウェザーマップ)

関東以西は、季節外れの高温が続き、特に19日(土)は東京都心で28度、青梅や熊谷で29度など、30度に迫る暑さとなるでしょう。晴れ間がより広がるなど、気象条件によっては、30度以上となる可能性もあります。もし真夏日となれば、東京都心、青梅、熊谷などは、いずれも観測史上最も遅い真夏日となります。

ただ、北日本ほど急激ではないものの、上空の気温は一気に下がるため、20日(日)は晴れ間が出ても関東では20度位までしか上がらず、この時期らしい秋晴れとなりそうです。内陸を中心に朝の気温は10度を下回る所も多くなるでしょう。一方、東海から九州も20日(日)は夏日が解消しますが、21日(月)にはもう復活する見込みです。

なお、週末は気温の下がる北日本や関東なども含めて、来週はまたかなりの高温傾向が見込まれているため、気象庁から早期天候情報の高温が発表されています。来週は再びこの時期としては10年に1度程度以上の高温となる可能性があります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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