KING不在のコート……
現地時間27日、フィラデルフィアで行われたセブンティシクサーズとロスアンジェルス・レイカーズのゲームは、105-87でシクサーズの完勝に終わった。
昨シーズン、東西の首位同士として同じ1月27日に相まみえた両チームだが、今季は互いに順位を下げ、シクサーズが東の6位、レイカーズは西9位としての対戦だった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210129-00219825
フィラデルフィア出身で、レイカーズの顔だったコービー・ブライアントの2度目の命日の翌日ということもあり、2万953名で埋まったフルハウスの客席には、レイカーズの背番号8、24、そしてローワー・メリオン・ハイスクール33番の赤いユニフォームを身に着けたコービー・ファンを何人も見掛けた。
レイカーズ支持者は、アンソニー・デイビス復帰2戦に期待を込め、フィラデルフィア市民はバスケットボール界のKINGを叩いてこそ、後半戦に浮上できると熱い眼差しを送った。
しかし、Tipoff90分前にレブロン・ジェームズの欠場が伝えられる。レイカーズは、左膝の痛みを訴えたKINGをベンチ外とした。
レブロンのいないレイカーズは、瞬く間に並以下のチームと化する。1Q終了時に10点差。2Qはセカンドユニットの奮起が見られ、ハーフタイム時に54-48と喰らいつく。さらにはデイビスが31得点12リバウンドのWダブルで復活の兆しを見せたものの、攻守にわたって組織的な連係が見られず、チームとしての怖さを発揮できぬまま、ずるずるとビハインドを許した。
「レブロンがいないからこそ、一人一人がいつも以上にハードにプレーしなければならなかった。レブロンの欠場は非常に大きいが、彼無しでどこまで戦えるかを示そうとコートに入ったんだが……」
試合後の記者会見でそう語ったデイビス自身も、この日、右手首を前半に痛めた。
「ちょっと痛むくらいだよ」と、記者の質問をかわしたが……。
プレー面だけでなく、シクサーズの精神的柱として存在感を表したのが、デイビスとマッチアップしたジョエル・エンビードだ。26得点、9リバウンド、7アシスト、2ブロックをマーク。もっと上回る数字を何度も出したことがあるエンビードだが、ここぞ、という時に競り勝つ彼のプレーがリズムを生んだ。
ゲーム終了直後にこの試合のMVPに選ばれ、自身の手でボールにサインすると、客席の階段を上がって幼女にそれを手渡したシクサーズのエースは言った。
「今日の俺は、そんなに良かったわけじゃない。でも、仲間がMVPとしてくれたことが幸せだ」
82本のシュートを放ち、50%の41本を決めたシクサーズは、チーム力を立て直せそうな気配を感じる。一方、88分の36で40.9%に終わったレイカーズの迷走は深刻だ。
指揮官のフランク・ヴォーゲルは、「それほど神経質になってはいない。好材料も沢山ある」と話したが、いかにこの流れを変えるのか。今シーズンのトレード期限は、米国東時間2月10日の15時である。噂が尽きないが、強いレイカーズに戻るきっかけがほしいところだ。