平均1.8皿、一番人気は茶碗蒸し…回転寿司のサイドメニューの利用性向をさぐる
サイドメニューは平均1.8皿
ここ数年の間に生じた回転寿司界隈で大きな変化の一つとして挙げられるのが、サイドメニューの充実。今ではファミレス顔負けの充実した揃えに驚く人も多い。その利用実情をマルハニチロが2017年3月に発表した「回転寿司に関する消費者実態調査2017」(※)を元にさぐる。
今調査対象母集団(月一以上で回転寿司を利用する人)においては、一度の利用で食する寿司の皿数は大よそ10皿(男性10.8皿、女性7.8皿)。これにはサイドメニューは含まれていない。それではサイドメニュー、例えばみそ汁や茶碗蒸し、各種デザートなどは何皿選択されているのだろうか。平均では1.8皿で、男性よりも女性の方がわずかながら多い結果となった。
ボリュームゾーンが1皿から2皿なのは男女共通だが、男性はゼロ皿が14.2%もいるのに対して女性は7.2%。ボリュームゾーンのうち2皿の項目でも女性は男性と比べて9.4%ポイント高い。寿司そのものは男女間で3.0皿の差が生じていることを合わせ考えると、回転寿司の利用では男性より女性の方がサイドメニューのウェイトが高いことが分かる。
サイドメニューの好み、トップは茶碗蒸し
それでは実際に、どのようなサイドメニューが好かれているのか。男女別で大きな差異が生じそうだが、残念ながら男女それぞれの全体値の公開は無い。男女を合わせた全体像としては茶碗蒸しがトップで、次いでうどん、そしてみそ汁・赤だしが続く。
寿司がご飯系の食事であることから、それに良く合うメニューとしてみそ汁などが選択されるのは理解できるが、それよりも上位に茶碗蒸しがついているのは意外と思う人もいるかもしれない。これは子供連れで足を運んだ時の子供のために(質問設定上はあくまでも回答者自身が食べたいと思うメニューだが)、茶碗蒸しは材料が寿司界隈と共通しているものが多く汁もの扱いされる場合が多いこと、さらにはげん担ぎ的な要素もあり、寿司と相性が良いからなどの理由によるものと考えられる。
茶碗蒸しに次いで多くの支持を集めているのはうどん。主食としては一番人気。次いでみそ汁・赤だし、さらにはラーメンが続く。飲み会などにおける「締め」的な意味合いでラーメンが食されることは多いが、うどんやラーメンはそれに近いポジションなのだろうか。他方、おかずとしてのサイドメニューでは、茶碗蒸しを除けば天ぷらが最上位で、次いで鶏から、海鮮系丼ものが続く。
話題に登ることが多いスイーツ群では、ケーキが第5位でトップ。回転寿司では古くからゼリーやプリン、アイスクリームなどが導入されていたが、アイスクリーム等がケーキに続いて第6位に入っている。
回転寿司のサイドメニューとしてはスイーツと相性が良いと思われる10代女性の需要に関し、その属性での回答値と全体との間に5%ポイント以上もの差が出ている、つまり10代女性が回転寿司でとりわけ好んでいるサイドメニューを列挙したのが次のグラフ。
茶碗蒸しが大いに支持されているのは意外といえば意外だが、その他ではアイスクリーム等やケーキ、パフェ、フルーツなどが大いに全体値を引き離している。また和菓子も全体値との差異を大きなものとして多数の人が求めており、予想外の需要が見えた感はある。
一方で茶碗蒸しや軟骨のから揚げ、ポテトフライなど一部を除けば、多分に甘味処やファミリーレストランで提供されているメニューと被るように見えるのも事実ではある。
ちなみにこれら充実度を増している回転寿司でのサイドメニューについて、寿司には手を付けずにサイドメニューだけを食べた経験がある人は、全体では13.9%。
男性だと2割近いが女性では1割を切る。年齢階層別では20代が2割を超えるがそれ以外は1割台。チェーン店の中にはサイドメニューだけの注文も大歓迎とアピールしているところもあるが、そのスタイルを実行に移している人はまだ少数のようだ。
サイドメニューであっても自分が口にする食品に変わりは無い。回転寿司とサイドメニューも合わせて食べられるから、では無くサイドメニューのみならば、それぞれの他の専門店でも食することができる。専門店に負けないほどの味、あるいはレア性などの優れた点が無いと、回転寿司店においてサイドメニューだけの食事は成されにくいのだろう。
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※回転寿司に関する消費者実態調査2017
2017年3月6日から3月8日にかけて、関東・関西在住の15歳から50代の男女に対しインターネット経由で実施。予備調査時点では4712人が調査対象母集団。本調査ではそのうち、月1回以上で回転寿司店を利用している人1000人を対象。本調査の男女比・地域比率はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。