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セリエA、新型コロナで選手価値が1200億円減…ユヴェントスやインテルが150億円超

中村大晃カルチョ・ライター
2019年12月18日、セリエAサンプドリア戦でのディバラ(写真:ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスの感染拡大でサッカー界が危機にある中、移籍情報サイト『Transfermarkt』が4月8日、選手の市場価値の大幅な見直しに踏み切った。1998年以降生まれの選手は市場価値が10%ダウン、それ以外の選手たちが20%ダウンとなっている。

3月15日時点の市場価値と比べると、セリエAは20クラブ合計で18.75%のダウンとなった。総額で10億3315万ユーロ(約1225億万円)の減少となる。

クラブ別で最も大きな減額となったのはユヴェントスで、1億4080万ユーロ(約167億万円)。次にインテルが1億3205万ユーロ(約156億5000万円)、ナポリが1億2940万ユーロ(約153億円)で続く。下げ幅はユーヴェが18.6%、インテルが19.3%、ナポリが19.7%だった。

その後は、ローマとラツィオのローマ勢、ミラン、アタランタと続く。今季好調だったラツィオは、最新の市場価値そのものはミランを下回るが、3月15日からの下げ幅は19.8%ダウンでミラン(17.8%ダウン)を上回っている。

『Transfermarkt』参照、筆者作成
『Transfermarkt』参照、筆者作成

最も市場価値が下がった選手は、首位に立つパウロ・ディバラ(ユヴェントス)で1800万ユーロ(約21億3000万円)減。ランキング首位は変わらないが、7200万ユーロ(約85億4000万円)という市場価値になった。

6800万ユーロ(約80億6000万円)で続くクリスティアン・エリクセンとロメル・ルカク(インテル)も、それぞれ1700万ユーロ(約20億2000万円)のマイナスとなっている。

20歳マタイス・デ・リフト(ユヴェントス)は1999年生まれのため、10%ダウンの750万ユーロ(約8億9000万円)減。1600万ユーロ(約19億円)減のラウタロ・マルティネス(インテル)を抜き、セリエAの市場価値ランキングで4位に浮上した。

『Transfermarkt』参照、筆者作成
『Transfermarkt』参照、筆者作成

なお、クリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス)は1500万ユーロ(約17億8000万円)減の6000万ユーロ(約71億1000万円)で全体7位につけている。

日本人選手では、冨安健洋(ボローニャ)が150万ユーロ(約1億8000万円)減で1350万ユーロ(約16億円)となった。チームでリッカルド・オルソリーニ、ニコラス・ドミンゲスに続くチーム3位の数字。なお、昨年12月12日時点では1000万ユーロ(約11億9000万円)だった。

一方、吉田麻也(サンプドリア)は100万ユーロ(約1億2000万円)減の400万ユーロ(約4億7000万円)となっている。

もちろん、あくまでも『Transfermarkt』における市場価値が全体的に下がったというだけではある。ただ、世界同様、新型コロナウイルスによる経済的打撃でサッカー界も大きく変えられてしまった。

先行き不透明な中、イタリアも含めた各国がシーズン再開の道を必死に模索している。一刻も早く安全が確保され、その日の到来が少しでも早まることを願うばかりだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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