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連休最終日は冷たい雨に 寒気が影響、寒暖差さらに大きく

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
9日(月・祝)正午の雨雲の様子(ウェザーマップ作画)

 9日(月・祝)は全国的にくもりや雨となり、強く降る所もあるでしょう。とくに、九州南部や関東地方南部などでは大雨に警戒が必要です。

 東京ではほぼ一日、雨が降り続き、昼間の気温は16度くらいと11月半ばの寒さとなりそうです。厳しい残暑はようやく収まったものの、今後は寒気の影響で、寒暖差が一段と大きくなる見通しです。

風冷えの季節

 これからの季節は気温に加えて、風の有無も体感に大きく影響します。天気予報では風が1メートル強くなると体感温度は1度下がると解説することがあります。

 遭難事故があった栃木県那須町の朝日岳周辺の風の様子をみると、6日昼頃にかけて北西の季節風が強まった様子がわかります。

栃木県那須町・朝日岳周辺の風の様子(10月6日朝~昼)ウェザーマップ作画
栃木県那須町・朝日岳周辺の風の様子(10月6日朝~昼)ウェザーマップ作画

 また、天気予報で伝える風は地上付近の風の強さで、風は標高によっても大きく変わります。ふもとの那須高原(アメダス)では6日午前は3~4メートル程度の風でしたが、山頂に近い上空1,500メートル付近では15~20メートルの風が吹いていたようです。風速20メートルは何かにつかまっていないと立っていられないほどの強風です。

寒暖差は一段と大きく

 先日まであれほど暑かったのに、急に涼しくなり、体調がついていけない感じです。天候の変化は上空の風の流れにもはっきりと表れています。

【上空の風の流れをみた図】上図は9月末、下図は10/10~14の予想、ウェザーマップ作画、筆者加工
【上空の風の流れをみた図】上図は9月末、下図は10/10~14の予想、ウェザーマップ作画、筆者加工

 残暑が厳しかった9月末は日本の北を偏西風が流れ、日本列島は暖かい空気に覆われていました(上図)。しかし、今後は大陸で気圧の尾根(90度リッジ)が明瞭となるため、偏西風の位置が変わり、冷たい空気に覆われやすくなる見通しです(下図)。

連休最終日は冷たい雨の一日

 9日(月・祝)は太平洋側を進む低気圧の影響で、全国的にくもりや雨となるでしょう。冷たい空気に加えて、雨が降り続くため、東京は昼間でも16度くらいとなり、11月半ばの寒さとなりそうです。今ある服では間に合わないかもしれません。

東京の時系列天気予報(8日午後9時~9日午後9時)ウェザーマップ作画
東京の時系列天気予報(8日午後9時~9日午後9時)ウェザーマップ作画

【参考資料】

気象庁:大雨に関する関東甲信地方気象情報(第2号)、2023年10月8日16時20分発表

気象庁:大雨と突風に関する九州南部・奄美地方気象情報(第4号)、2023年10月8日16時発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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