ポケモンGo Plusデバイスの立体商標をグーグルが出願
ポケモンGoによる歩きスマホが問題になっていますが、ポケモンGo Plusという専用デバイス(公式サイト情報)によりこの問題が軽減されそうです(歩きスマホする人は結局してしまうのでしょうが)。
ポケモンGo Plusは腕にはめる専用デバイスで、ポケモンを捕まえる、ポケストップでアイテムを得るなどの基本操作がスマホの操作なしに行なえます。また、スマホをスリープ状態に維持できるのでスマホのバッテリー問題も改善するでしょう。現時点では販売日未定です。
さて、FBフレンドからの情報で知りましたが、このポケモンGo Plusと思われる立体商標が2月に出願されていました(商願2016-19280)。なんと、出願人がグーグルになっています。指定商品は「第28類 コンピュータゲーム機用ゲームコントローラー,ゲーム機用コントローラー,家庭用テレビゲーム機用コントローラー」です。まさかグーグルが勝手出願するはずはないので正規のものなのでしょう。
さらに、これに関連した出願(商願2016-19281)も同日にやはりグーグルにより行なわれています。こちらは立体商標ではない通常の図形商標で指定役務は「ビデオゲームサービス,オンラインによるゲームの提供,ゲームの提供」です。アイコンとしての使用を想定しているのでしょうか。
今までポケモン関係の商標は任天堂株式会社、株式会社ゲームフリーク、株式会社クリーチャーズの共同出願になっていたのに、なぜ上記商標のみグーグルが出願人になっているのでしょうか?個人の推測の域を出ないのですが、ひょっとするとこれらの商標が有名なGoogle Mapのピンマークと類似と判断されて拒絶されることを万一でも防ぐために、いったんグーグルに出願してもらって登録後に任天堂等に譲渡する段取りになっているのかもしれません(拒絶されるのは他人の周知商標に類似等の場合であって自分の周知商標と類似する分には問題ないため)。別に違法でも何でもなく実務上たまに使われるテクニックです。そもそも、ポケモンGoの開発会社であるNiantic Incは、元々グーグルの社内スタートアップであって昨年秋にスピンアウトした会社です。ポケモンGoに関しては、グーグル、Niantic、任天堂は同じ船に乗っていますのでこういう取り決めをしていてもおかしくありません。
(追記)上記の立体商標のパリ優先権の基礎出願である米国出願の審査書類を見たところ、上記の推測はちょっとはずれてたことがわかりました。使用による識別性(セカンダリーミーニング)を立証するために、グーグルによる2014年のエイプリルフール企画「Google Mapポケモンチャレンジ」を使いたかったのがグーグルが出願人となった理由のようです。とは言っても、登録後に任天堂側にライセンスまたは譲渡するという点は変わらないでしょう。