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いつか愛子さまが運転免許をとられる日 皇室の方々の意外な運転事情とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
5月に御料牧場で静養された天皇ご一家(写真:毎日新聞/アフロ)

愛子さまが社会人となられて、早2か月余りが過ぎた。日本赤十字社での仕事にも少しずつ慣れ、職場での先輩や同僚とも和やかな関係を築いていらっしゃるという。

5月初めには天皇ご一家で自然あふれる御料牧場にご静養へ出かけ、気分も一新し、ますます仕事や公務にまい進されていくことだろう。

そのご静養中、雅子さまが独身時代から愛用されていた「トヨタ カローラ2」を、牧場内で運転されたと報じられたが、仮に結婚直前に購入したとしても、すでに30年以上も経っており、それが今も現役で乗ることが可能だという点に少々驚いた。

そこでふと思ったのは、雅子さまは皇室に嫁ぐ前に運転免許を取得されているが、社会人になった愛子さまも、ご希望があれば車の免許を取得することは可能なのだろうか?

皇室解説者の山下晋司さんに、皇室の方々の運転事情について聞いてみた。

◆皇室の方はどのようにして運転免許を取得するのか?

愛子さまと同じ内親王の前例で言うと、黒田清子さんは結婚直前に運転免許を取得されている。結婚後は宮内庁職員らによる送迎がなくなることから、ご自分で運転できるようになりたいと決心されたようだ。

では、皇室の方々は、どこで運転技術を磨き、試験を受けられるのだろうか?

「眞子さんや佳子内親王殿下は、自動車教習所に通われていたようです。清子さんは都内の自動車教習所に通い、仮免許を取得されたのち、府中運転免許試験場での学科試験、技能試験に合格し、取得されました。愛子内親王殿下も将来結婚して皇室からお出になるなら、運転免許を取得されておいた方がいいでしょうね」(山下さん)

皇室の方が外部の教習所に通われたとは、少々、意外であった。

しかし、天皇というお立場にある場合は、皇族との違いはあるだろうと山下さんは言う。

「上皇陛下は皇太子時代の1954(昭和29)年に運転免許を取得されました。取得までの経緯は分からないのですが、更新を兼ねた高齢者講習の際には、お住まいの御所で適性検査を受け、皇居東御苑で警視庁担当者が同乗して運転指導を受けられました。そのときは皇居東御苑に信号の模型なども置いたらしいです」(山下さん)

上皇さまは85歳以降は運転をしなくなったが、それまでは助手席に美智子さまを乗せ、皇居内のテニスコートまで、20年以上乗り続けてきた愛車の「ホンダ インテグラ」を運転されていた。お立場からすると、ご自分で車の運転をする必要はないのだが、皇太子だった頃から那須のご静養先などで自らハンドルを握られドライブを楽しむほど、運転が好きでいらっしゃるようだ。

◆愛子さまが御料牧場で運転の練習をすることは可能か?

5月初めに雅子さまが御料牧場で運転されたのは、外務省に勤めていた時に通勤に使い、嫁入り道具として皇室に持参された「トヨタ カローラ2」。まだ現役で天皇ご一家のドライブに活用されている。

「いつでも乗れるように、整備をされてきたのでしょう。それを考えると、公表はされていませんが、皇居内でも乗っておられるのだろうと思います」(山下さん)

御料牧場は宮内庁所管の国有財産であり、構内の道路は道路交通法上の道路ではないため、愛子さまが免許を取得したいと考えて、ちょっと練習してみるのも可能だろうと思いがちだが、そう簡単ではないという。

実は平成3年の夏に、当時、皇后だった美智子さまが赤坂御用地内で、自動車の練習を始められたことがあった。皇居や赤坂御用地内の道路も御料牧場と同様に、道路交通法上の道路にはあたらない。しかし、職員や業者の人が行き来している準公道と見なされた場合、無免許運転になる可能性があると、当時、一部から危惧する声が出た。それを気にされたのかもしれないが、美智子さまは運転の練習をやめられたという。

同様に御料牧場も外部の人が利用する可能性があり、運転免許を持っていないと、道路交通法の違反になるかもしれないのだ。

上皇さまは皇居内を運転する時も、御所を出てから免許証を忘れたことに気づき、わざわざ取りに帰られたという話もあるくらい、しっかりと法令を守られている。そうした皇室の中で成長された愛子さまが、皇居や御料牧場などで、運転の練習をされることは考えにくいということだ。

この先、愛子さまが運転免許を取得される日はやってくるのだろうか。今後も愛子さまの免許事情を気にしつつ、社会人としての階段を一歩ずつのぼっていくお姿をウォッチしていきたい。

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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