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【カルディ】期間限定47%オフの赤ワイン!…だけど買う価値あるの?ワインマニアがぶっちゃけてみた

KOZE(こぜ)ワインマニアワイン初心者向け情報ライター

カルディで47%オフの赤ワイン!

カルディといえばズラリとならぶワインが魅力。定期的に特定銘柄のセールも行われています。6月も面白いワインがありましたのでワインマニアの筆者がご紹介します。

値引率は高いが、買う価値、あるの…?

ワイン名はミケーレ・キアルロ チプレッシ ニッツァ2021

セール期間は6/14まで。値引率は47%と非常に高いものの、4,598円(税込)→2,398円(税込)の値付け。そう、見ての通り「値引きをされてもそれなりの高額帯」のワインです。

それゆえ、多くの方が値引きしてても買いにくいと感じたり、実際その価値が感じられるか不安に思うことでしょう。果たしてセール後、2千円超えのワインは「買い」なのか、そうでないのでしょうか?

イタリアのワイン現地評にて、最高評価。

イタリアのワインガイドに「ガンベロロッソ」というものがあります。毎年2万品ものワインがエントリーされるものと言う権威あるワインガイドです。

このカルディのセール中のワイン、ミケーレ・キアルロ チプレッシ ニッツァ 2021は最高評価である「トレ・ビッキエーリ」を獲得。ヴィンテージも2021のものが選ばれ、銘柄そのものズバリです。

トレ・ビッキエーリは1,000本に対して1本程度の選考率と言われ、正確な数は不明ではありますが、それでも数あるイタリアのワインにおいても「ふるい」にかけられているといっていいでしょう。

つまり、結論としてはある程度の品質は担保されており、買い銘柄といえます。

おぼえたい表記「DOCG」

ワインのボトル部に書いてある「DOCG」の文字。DOCGは、統制保証原産地呼称と呼ばれるもの…で、難しい印象がありますが、とても簡単に言うと、イタリアの由緒ある地酒の認証と考えていただくのが良いでしょう。DOCと呼ばれる少し規定の優しいものと比較し、DOCGはもっとも規定の厳しいものです。

新しいDOCG「NIZZA ニッツァ」

DOCGはイタリアの州・地区ごとに呼称があります。日本の「味噌」にたとえると、秋田味噌、仙台味噌、 会津味噌、佐渡味噌など地名が入ったものと同じようなものです。

その多くが歴史のある名称である一方、今回の「NIZZA ニッツァ」と呼ばれるDOCGの名称は2014年に認定されたばかりの新しい呼称です。それゆえ、日本でもあまり「ニッツァ」のワインを飲んだ方は少ないでしょう。

DOCGニッツァの認証は、イタリアのピエモンテ州においてバルベーラというブドウ品種をワイン中に100%使う必要があります。ピエモンテ州で素晴らしいバルベーラ種のワインが作られることからバルベーラ種の使用を「100%」とすることを条件に「DOCGニッツァ」を名乗ることが許されたというワインです。従来もバルベーラ種を90%使用で名乗れる呼称などはあったのですが、より尖りを見せた呼称といえるでしょう(その他細かい規定あり)

イタリア北部は厳格な味わい

今回のワインはイタリアの北部、ピエモンテ州という産地のワインです。日本においても、関東と関西でうどんの「つゆ」の味が変わるように、イタリアでもワインの味わいが変わります。特に赤ワインについては、北部は後味もキリッとした渋みが感じられ、総じてスマートな印象を持つワインが多いでしょう。これに対して、イタリアのブーツのかかと部周辺の南部では味わいがやわらかくカジュアルなワインが多くあります。

イタリア北部は、より味わいがしっかりしてる…とあらかじめ構えて飲むと、より納得感が生まれ、ワインがもっと楽しくなるはずです。

つまりどういうこと?

このワインは

・イタリアのワイン現地評価でも好評の銘柄

・イタリア北部のスマートな味わい

・ワイン好きでもあまり飲んだことのないイタリアの地酒

と言えると思います。それゆえ、今回のセール品はかなりマニアックなものと言えるでしょう。

実際に飲んでみた

結論として、今回のセール価格の2千円台であれば、素晴らしい出来のワイン。

ハーブのタイム、ナツメグ(ハンバーグに入れるハーブ)のような香りや、果実で言うとプラムのような果実の味わいが広がり、独特の香味が感じられるワインです。後味には上品な酸味が残り、重々しさはありません。

ワイン初心者あるあるの、赤ワインが苦くて渋くて飲めなかった…という部分は回避できそうなバランスがとれた赤ワインといえます。

どこか「普段飲んでいるワインと違う」感覚があるワインでしょう。

注意点は2つ

注意点は2つあります。一つはセール期間が6月14日までであること。もう一つは、同じワイナリーの1つランクが下のワインが近しい値段で売っていることです。

今回ご紹介のワイン

ミケーレ・キアルロ チプレッシ ニッツァ2021

見分け方は「NIZZAの文字」がラベルにあり、ボトルにも刻印が入っている点です。

違う銘柄(同ワイナリーの1つランクが下がるワイン)

ミケーレ・キアルロ バルベーラ・ダスティ レ・オルメ

ワイン初心者向け情報ライター

日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート有資格。インスタ3.3万人、Twitter2万人、スレッズ1.4万人、Youtubeワインチャンネル1万人。ワインのSNSで総フォロワー6万人強は日本トップクラス。ワインの飲み手を増やしたい、というモチベーションとともに、ワインがわからない方向けの初心者向けナビゲート記事を執筆。3千円以下のワインの啓発。南アフリカ産、スペイン産のワインを愛する。

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