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26戦全勝24KOの新鋭と元IBFスーパーライト級王者がウエルター級で対戦

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
セルゲイ・リピネッツ   写真:AP/アフロ

 ロシア人であるセルゲイ・リピネッツが、4月10日にコネチカット州モヒガンサン・アリーナのリングに上がることが決まった。同ファイトは、SHOWTIMEで放送される。

 リピネッツは2017年11月4日にIBFスーパーライト級王座決定戦で、近藤明広に判定勝ちしてチャンピオンとなっているので、名前を記憶されている方も多いだろう。

 しかし、初防衛に失敗。王座転落後、階級を上げて再起した。現在はカリフォルニア州に住み、活動の拠点を米国としている。

 2019年7月20日にWBOウエルター級インターコンチネンタルタイトルを獲得。2020年10月24日には、IBF暫定ウエルター級王座決定戦で引き分けた。目下、16勝(12KO)1敗1分け。

 ドローとなった直近のファイトは、114-114が2名。113-115が1名と、分の悪い引き分けであった。

ジャロン・エニス   Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
ジャロン・エニス   Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 リピネッツの今回の相手は、26戦全勝24KOのジャロン・エニス。23歳の新鋭だ。エニスは昨年末のIBOウエルター級王座決定戦に出場したが、ファーストラウンドに偶然のバッティングにより相手が負傷し、ノーコンテストとなっている。

 SHOWTIMEはエニスを「ライジングスター」として売り出し中だ。31歳の元チャンピオンにぶつけ、今後を占おうということであろう。

 エニスはコメントした。

 「メインイベンターとしてSHOWTIMEに出られることが嬉しい。元チャンピオンとの戦いか…胸が躍るよ。こういう舞台を待ち望んでいた。素敵なショーを御覧に入れる。俺が輝くための時間だ。美しいファイトになるだろう」

 一方のリピネッツも言う。

 「試合に向けた激しいトレーニングで、毎日ヘトヘトです。エニスは私を踏み台と捉えているようですが、そうはならないでしょう。彼はリーチを生かして距離を取る策でリングに上がるでしょうが、そんな展開にはならないんじゃないかな。勝つ為の練習を重ねています。激しいファイトになるでしょうね」

 生き残るのはどちらか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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