北海道・日本ハムの新球場の温浴施設は温泉マニアに人気の「モール泉」だった!
3月30日、北海道日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」で開幕戦が行われ、大きな話題となった。
札幌市民の筆者としても、近いうちに新球場を訪れてみたいが、野球以上に気になっているのが球場内の温泉施設だ。
なんと、温泉につかりながら生の野球観戦ができる世界初の球場だという。
温泉に入りながら野球観戦できるのは大きな魅力だが、温泉マニアの立場から気になるのは「どんな温泉か」である。
公開されている情報によると、「敷地内の地下約1300mまで掘削して汲み上げた天然温泉」であるという。「きっと他の温泉地から運んできた湯だろう」と思っていたので意外だった。俄然気になる。
では、どんな泉質の湯なのか。
温泉ソムリエ師範である、さとう努さんが地元UHBのニュース番組の中で、エスコンフィールドの温泉分析書を講評している。
「アルカリ性単純温泉という泉質。腐植質が1キロあたり15.1ミリグラム含まれるので、おそらく茶褐色のモール温泉ではないかと想像する」
モール泉とは、簡単に言えば、太古の植物などの有機物を含んだ温泉のこと。植物が地中で長い時間経過すると炭化し、いずれ石炭になるが、石炭になりきる前の腐植質と呼ばれる成分を含んでいる温泉である。
色の濃淡はあるが、ウーロン茶のような茶色の湯が多い。実際、ニュース映像などを確認するかぎり、エスコンフィールドの湯も茶色に見える。
また、モール泉は植物由来のフローラルな香りを放ち、スベスベとした入浴感も特徴である。球場の温泉は「雪肌の湯」という、いかにも肌にやさしそうな名前である。ちなみに、温泉は10の泉質に分けられるが、モール泉という泉質は正式には存在しない。
北海道の十勝川温泉がモール泉の聖地として有名であるが、東京の蒲田をはじめ全国的に点在する。
実際、エスコンフィールドがある北広島市やその周辺には、モール系の温泉が多く湧いている。球場から車で10分ほどの距離にある「天然温泉森のゆ」もモール系の温泉だ。地理的には、球場の敷地からモール泉が湧いてもおかしくないわけだ。
エスコンフィールドの温浴施設「tower eleven onsen&sauna」は、男女別に分かれた内湯のほか、男女で混浴ができる水着着用のバーデゾーンもあるという。チケットにはいくつか種類があるが、一般温浴チケットの料金は、試合のある日が5000円、試合のない日が2500円(外部リンク)。
もうひとつ温泉好きとして気になるのは、温泉の設定温度である。
野球観戦をしながら入浴できるのは大きな魅力だが、泉温が熱いと、すぐに出なくてはならず観戦どころではない。のぼせてしまいそうだ。逆に泉温がぬるすぎても、みんな湯船につかったままで、順番待ちが発生しそうである。
いずれにしても、温泉が目当ての筆者は、試合のない日に訪れることになりそうだ。