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通算403試合で87本塁打は、殿堂選手の父とまったく同じ。出塁率も.363と.364

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Jun 13,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月13日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、シーズン15本目のホームランを含む、5打数3安打を記録した。

 2019年4月にデビューしたゲレーロJr.は、この日が通算403試合目。ホームランは87本目だ。同名の父も、1996年9月のデビューから403試合の時点では、87本塁打だった(402試合の時点では、息子が86本、父は87本)。また、息子の通算出塁率は.363。こちらも、父が403試合で記録した.364とほとんど変わらない。

 2011年までプレーした父は、2147試合に出場し、449本塁打と出塁率.379などを記録した。そして、2度目の投票で殿堂に迎え入れられた。

 デビューから403試合における、他のスタッツを比べると、打率は息子が.284で父は.311、二塁打は75本と95本、三塁打は5本と14本、四球は178と112、三振は282と192、盗塁は27と5だ。

 打率、長打、OPS、盗塁は父が勝り、四球は息子のほうが多い。父の四球と三振が少ないのは、稀代のバットボール・ヒッター(悪球打ち)だったせいだろう。

 また、403試合時点のOPSも、父が息子を凌ぐ。息子の.876に対し、父は.926だ。

 ただ、この時点で、父は24歳だった。息子はまだ23歳だ。もう少し細かく言うと、24歳7ヵ月強と23歳3ヵ月弱。息子のほうが1歳以上若い。

 父は、キャリアを通し、首位打者、本塁打王、打点王、盗塁王のタイトルを獲得しておらず、出塁率とOPSのリーグ1位もなかった。MVPは2004年に1度だ。昨シーズン、息子は、MVPこそ受賞できなかったものの――大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ2位――48本のホームランを打ってサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)と本塁打王のタイトルを分け合い、出塁率.401とOPS1.002もリーグ・トップに位置した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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