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5年間恋人がいません。若い頃はもっと簡単に人を好きになれたのに~40歳からの婚活入門(24)~

大宮冬洋フリーライター
東京・門前仲町の喫茶店にて。吉田さんはよく話し笑う女性です(筆者撮影)

 アラフォーの独身女性は生きづらいと思う。出産のリミットを感じながらの婚活は苦しいし、既婚者とはその辛さや孤独感を共有できない。話が合う友人知人がだんだん少なくなる。シングルマザーの場合はより深刻だ。幼い子どもがいると仕事・恋愛・趣味のいずれにも時間を取れず、母子で孤立しやすい。

 筆者は昨年末に電子書籍『40歳は不惑ですか、惑ですか』を自費出版した。既婚未婚それぞれの40歳男女に偏りなくインタビューして撮影をさせてもらう予定だったが、独身女性からは取材を断られることが多かった。「今の自分を書いてほしくないし、人からも見られたくない」といった理由がほとんどである。

 だからこそ、彼女たちの話を聞きたい。匿名でいいから、その状況と胸の内を教えてほしい。同じ40代として腹を割って語り合う気持ちで本シリーズを続けている。

***専門職、吉田郁恵さん(仮名、43歳)の話***

「あなたは一人でも生きていける。結婚はしなくてもいい」とよく言われる

 30代半ばで国家資格を取ってから海外の企業で5年ほど働きました。今は国内で専門職のフリーランサーとして生計を立てています。この経歴を初対面の人に話すと、必ずと言っていいほど「あなたは一人でも生きていける。結婚はしなくてもいい」と返されます。 

 私はもう妊娠はできないと思いますが、パートナーはほしいです。婚活をするときは、バツイチですでに子どもがいる男性を優先的に探します。子どもを求められても応えられそうにないからです。

 私自身、結婚していたような時期があります。相手は6歳年下の恋人です。資格試験の勉強中だった30代の前半に自習室で知り合い、付き合うようになりました。私が先に合格して、就職先は海外へ。国内で就職をすれば彼と結婚できていたかもしれませんが、私はその国で働くことを目標にして長い間勉強していたので、一度はどうしても行きたかったんです。

 仕事は激務でした。忙しいときは夜中の3時ぐらいまで働いていたので、土日はぐったりです。まだ受験生だった彼が遊びに来てくれたこともありましたが、一緒に遊ぶこともできませんでした。

 彼がずっと受験生だったので結婚に踏み切れなかったのもあります。私は結婚もしたかったし子どもがほしかったので、一時帰国中に不妊治療を受けたりしていました。妊娠できたら、彼の家族を説得できると思っていました。仕事の疲れがたまってイライラして、彼に「このままじゃ結婚も妊娠もできずに40歳になっちゃう」と当り散らしたこともあります。ひどいことをしちゃったな……。その後、私と別れた後も彼は試験に合格しなかったようです。

 39歳のときに婚活を始めた頃、がんを患っていることがわかりました。それでもいいからとアプローチしてくれる男性もいましたが、だんだん恋愛どころではなくなってしまったんです。

 働きながら通院して、再発予防の治療が終わったのは今年の春です。久しぶりに婚活を再開しています。私は住む場所や相手の国籍にはこだわりがないので、この夏は旅行がてらハワイの結婚相談所にお世話になりました。

 5人の男性と会いましたが、「ぜひまた会いたい」と思える人はいませんでした。年齢のせいなのか、がんのホルモン療法の影響なのかはわかりませんが、男性を求める気持ちが薄れてきたように感じています。昔はもっと簡単に人を好きになれたのですが、今ではセカンドバージンになりつつあります(笑)。とりあえず年末までは婚活を続けてみるつもりです。

吉田さんの趣味は旅行。フットワークは常に軽く、国内外のどこにでも行っています。(筆者撮影)
吉田さんの趣味は旅行。フットワークは常に軽く、国内外のどこにでも行っています。(筆者撮影)

***筆者より吉田さんへ***

女性の話が面白すぎて高速すぎると、たいていの男性は圧倒されて無口になります

 吉田さんとはある食事会でお会いしましたね。よくしゃべってよく笑う姿はとても快活で魅力的だと感じました。大変な闘病生活を乗り越えた人は突き抜けるような明るさを持っていることがありますが、吉田さんもその一人なのだと思います。

 お話を伺ってみても、吉田さんは様々な男性から好意を持たれていることがわかります。でも、「またぜひ会いたい」と思える人とは出会えていないようですね。行動力もあり、魅力的でもあるので、焦る必要はないと思います。

 一つだけアドバイスをさせてもらうならば、話すペースというか間合いをもう少し緩やかにしてはいかがでしょうか。吉田さんは頭と舌の回転が通常よりもはるかに速いので、たいていの男性は圧倒されてしまうでしょう。すると、その男性の口数は少なくなり、吉田さんとしても「物足りない」と判断してしまう。やや悪循環です。相手のほうにたくさん話してもらうように意識すると、彼の面白さが見えてくるかもしれません。よかったら参考にしてください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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