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慶応義塾大学、早慶戦の敗因は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
勝っても負けても端的に話す(写真は筆者撮影)。

 慶應義塾大学ラグビー部は11月23日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学対抗戦Aの早稲田大学戦を14-21で落とした。金沢篤ヘッドコーチと古田京キャプテンが試合を振り返った。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

金沢

「早稲田大学のフォワードのうちへのプレッシャーが素晴らしかった。今日は負けるべくして負けたというのがいまの感想です。まだこれから続く。青山学院大学戦、大学選手権で改善して一番上まで行けるように頑張りたい」

古田

「えーと…。結果2トライで終わってしまったことが敗因です。あれだけアタックをしていて2トライにとどまった。その背景にはいろいろな要因がありますが、結果としてはそこが敗因かと思います」

――前半、ラインアウトのミスが多かった。

古田

「まだフォワードとは話してないですけど、うまく競られたのかなと思います。慶応としてもラインアウトはしっかり準備してきたので、うまく競られたのかなと」

金沢

「今日、スローイングなどスキルの面ではそんなに悪くなかった。ただ――これは我々の予想ですが――うまくエリアで飛んできてそこに引っかかってきてしまった。後半はそこを修正して少し良くなったと認識しています。それを試合中にうまく調整できるようになればもっとよくなる」

――攻め込んだ先でのチャンスを逃した。

古田

「自分たちの形でアタックしていこうとしていたが、早稲田さんが色んな意味で粘り強かった」

金沢

「慶応の9番(スクラムハーフ)からのフォワードのアタックに対する早稲田のディフェンスが2~3人、かけていて、非常に強かった。いつもならそこでゲインできるのに、そこでのリズムを最後まで変えられなかった」

――準備したものでうまくいったところ、いかなかったところ。

金沢

「ディフェンスはいくつかミスもありましたが、比較的、前を見てディフェンスできていた。ただ、アタックについてはこれから選手とも話しますが、プレッシャー下、リズムに乗れない時にどう打開するか。そこをオプションとして学んでいってもらうことが必要。大学選手権を前にこういう試合ができてよかったです」

――相手の反則を受け、ペナルティーゴールを狙わなかった。

古田

「ラインアウトからのものを含め、敵陣に入ってからのアタックは自信を持って用意していた。特に前半はそれをしっかり出そうと思っていたので、その選択をしました」

――陣地の取り合いで苦しんだ。

古田

「特に前半の中盤以降、押し込められる場面があった。ただ、岸岡(智樹=早稲田大学のスタンドオフ)君のキックが長いのは最初からわかっていたので、そこでネガティブになることはなかったです」

――その岸岡選手が、前半25分にドロップゴールで先制しました。

古田

「チームとしてどうかわからないですけど、あの状況で3点が入っても影響がない、トライを取ればいいと思っていました。ただ、結果トライを取れなかったのが問題かなと思います」

――後半13分、攻守逆転を許した後の混とん局面で失点。あそこは守りにくいのか。

金澤

「自分たちが同じ方向にアタックしていて、片側にほとんどの選手が寄っている状態でターンオーバーを起こした。夏にもあったことなのですが、それをもう1回、選手も思い出しながらやれたらと思います」

――ラストワンプレー。敵陣ゴール前でラインアウトモールを組み、相手の反則を誘発。ここからもう1度ラインアウトを選ぶのではなく、速攻を仕掛けて無得点でした。このあたりのプレー選択の判断について。

古田

「トライを取って、(直後のキックオフから)もう1回りに行ってアタックしようという判断でした」

 チームは12月1日、青山学院大学との対抗戦最終節に挑む(埼玉・熊谷ラグビー場)。12月参戦の大学選手権に向け、ラインアウトや攻撃、攻守逆転後の反応の質を高めたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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