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何だコレNPB!? なぜ公式戦とポストシーズンを同日開催してしまうのか?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
(ペイレスイメージズ/アフロ)

 米国からMLBのポストシーズンの盛り上がりが連日届く中、NPBも今日(13日)から、セ・パ両リーグのCSがスタートし、本格的なポストシーズンに突入した。

 だがMLBと明らかに違うのが、CSが始まった一方で、同じ日に予定スケジュールで実施出来なかった公式戦を同時開催していることだ。しかも公式戦とパリーグCSのソフトバンク対日本ハム戦の開始時間がほぼ重なっているのだ。NPBはポストシーズンを盛り上げるという考えはないのだろうか。

 今シーズンのNPBは天候の問題もあり、なかなか日程通りに紹介できなかったのは周知の通りだ。特に阪神はその影響をもろに受けシーズン終盤は連戦を強いられることになり、MLBならダブルヘッダーで乗り切っていることからも、メディアから現在の運営システムに疑問が出たりもしている。

 シーズン前には各チーム平等に組まれているスケジュールも、本拠地がドーム球場、屋外球場の差で天候によりどうしても差が生じてきてしまう。そうした振り替え試合がシーズン終盤に集まってしまえば、どうしても屋外球場のチームは負担を強いられることになる。それは仕方がない。

 もちろんそれは重々理解できるとはいえ、なぜポストシーズンが始まっているのに、振り替え試合を同じ日に開催しなければならないのだろうか。

 全チームがシーズン143試合を戦うことになっているのはルールではある。だがCS進出チームが決定し個人タイトルもほぼ決まった状況で、しかもCSが始まった同じ日に振り替え試合をすることは、ポストシーズンの盛り上がりを阻害することになってしまうだろう。

 確かに各チームも公式戦最終戦は引退試合などに利用され、チームにとってもファンにとっても大切な試合であることは理解できる。だからと言ってNPB全体で盛り上がっていかねばならないポストシーズン開幕と同じ日に実施するのはやはり疑問が残る。

 MLBではその辺りはかなりドライだ。今シーズンの勝敗表を見てもらえば分かるように、マーリンズとパイレーツは通常より1試合少ない161試合しか戦っていない。チーム、個人成績に影響がないため振り替え試合がキャンセルされたためだ。その一方で地区優勝を決定するため、ドジャース、ロッキーズ、カブス、ブルワーズは逆に公式戦として163試合目を戦っているのだ。もちろん1試合少なかろうが、多かろうが、個人成績はそのままシーズン記録として反映されるのだ。

 やはりNPBは本来なら、球界全体でポストシーズンの開幕を盛り上げるべきはずだ。来シーズン以降の試合日程の運営システムを見直すべきではないだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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