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『ザ・ノンフィクション』でも話題になった、婚活におけるお金の問題

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:イメージマート)

◆『ザ・ノンフィクション』でも話題になった婚活でのお金の問題

2 月 4 日・11 日に放送されたフジテレビ系ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(関東ローカル)で当結婚相談所の密着の様子が放送されました。当社が『ザ・ノンフィクション』で取り上げられたのは 2 回目なのですが、前回同様たくさんの方にご覧頂いたようで、「婚活の悲喜こもごもを通した成長物語として、自分も励みにしている」という声をいただいています。

番組内ではコミュニケーション力や家事力についてもスポットが当たりましたが、年収や結婚後の生活費など、お金に関する話題も挙がりました。今回は婚活についてまわる、お金の問題についてお伝えします。

◆理想の年収でお見合いが組めない場合、バランスを見直して

番組内では、事務職の年収 350 万円・28 歳の女性が、ご自身で申し込みをしたところ、なかなかお見合いが成立しにくかった場面がありました。私は「年収差が 3 倍もあると成立が難しい。今の時代、男性が年収 1000 万円以上の場合、女性にも年収 800〜900 万円くらいを望まれることが多い」とアドバイスしましたが、年収についてはプロフィールページに開示されますから、お見合いの申し込みが成立するか、という部分で重要なポイントになります。はじめに理想の年収のお相手にアタックするのは自由ですが、なかなか成立しない場合、自身のプロフィールと希望する相手の条件のマッチングが合っているかを見直す必要があります。

◆交際中は、結婚後の生活費やお金の使い方について必ず話し合う

一方、年収だけでなく結婚後の生活費やお金の使い方については、お見合いが成立した後、つまり仮交際の段階でお互いの認識を揃えておくべきです。本人たちが努力しても認識のずれや確認の抜けはあるもの。成婚前に婚活アドバイザーを交えて、最終確認を行うのが理想的です。

番組中でも、50 代の男性が真剣交際に進んだ女性ともう結婚できると思い込み、当社に成婚料まで振り込んでしまうものの、後からお金について大きな意見の食い違いが明らかになるシーンがありました。男性は、自立した女性だから結婚後は対等に生活費を出し合うだろうと思っていましたが、女性は「結納金がほしい、生活費は男性が払うべき、私の成婚料も払ってほしい」と真逆の主張をしていることが分かり、破談となってしまいました。相手女性は別の結婚相談所の会員様なので、プロフィールに書かれていないお金の価値観は、デート中の会話を通して探る必要があります。双方が当社の会員の場合は、結納金や結婚式、指輪などの成婚にかかるお金、結婚後の生活費、結婚したらどこに家賃いくらで住む予定なのかまでお聞きし、漏れがないかどうか真剣交際の段階で三者面談をして、双方の同意が得られているかを直接確認しています。

◆家庭環境は、経済観念のプロファイリングに役立つことも

また、どんな家庭で育ったのかは、金銭感覚を探る上で重要です。実際にあった例では、当人同士の年収が釣り合っていても、経営者の家庭で育った人と、サラリーマン家庭で育った人で金銭感覚が大きく異なることから破談になったケースもあります。ある男性は経営者の家庭の生まれで、実家では当たり前のようにお金の話が飛び交っていたので、デート中に「この肉は 100 グラムいくら」「飲食店の原価率は......」などと話したところ、サラリーマン家庭で育った女性は「デートでお金の話をするなんてげんなり」と感じ、気持ちが冷めてしまったそうです。一般論なので、家庭環境がそのまま経済観念の一致にはなりませんが、効率的な婚活をする上では、相手が育ってきたバックグラウンドをヒントにプロファイリングを進めると、お金についての価値観上相性の良い方と出会いやすくなる面があります。

◆破談事例も......成婚間近こそ慎重にすり合わせを

年収だけでなくお金の使い方も人によっていろいろです。高収入男性だから浪費家かといえばそうではなく、節約意識が高い方もいます。例えば高収入の男性がテーマパークにおにぎりを持参したり、格安航空券や遠回りの鈍行列車を提案する場合もありますが、その時に「ケチな行動をするということは、大切にされていない」と感じ不満を持つ婚活女性は少なくありません。逆に、2 人で予算を決めて婚約指輪を買いに行ったのに、女性が店員に促されるままどんどん値段を上げてしまい、男性が付き合いきれず破談になったケースも。お金の価値観については、成婚直前でも慎重にすり合わせましょう。

今回は婚活におけるお金の話をしましたが、勘違いしてほしくないのは、もちろんお金だけで相手を判断することをよしとしているのではなく、相手が育った環境を知ることで自分の価値観と合うか、自分の思い描く結婚生活に合うか見極めてほしいということです。

交際中はデートを楽しむ気持ちは持ちつつも、それだけではいけません。深いコミュニケーションを取り、結婚後の家計まで見据えられるようになってからが本番です。あなたの婚活を応援しています。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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