【東京都台東区】上野公園で100年以上の歴史あるスイーツ『鶯だんご』を味わう。和風甘味処「新鶯亭」
今回は上野公園内の甘味処「新鶯亭」を紹介いたします。
夏の上野公園内で心身共に涼をとりたい時は新鶯亭がオススメ。喧騒から離れた物静かな空間で、伝統の「鶯だんご」を味わいながら、しばし寛ぎの一時はいかがでしょうか。
◆深い緑と長い歴史に包まれた日本家屋風のお店
上野動物園の入り口近くに位置する「新鶯亭」。公園の深い緑に包まれているこのお店は、大正4年(1915年)の創業から数えて、既に100年以上の歴史を刻んでいます。
今風の明るいカフェともモダンな純喫茶とも違う、年季の入った佇まいです。
内装はこぢんまりとした日本家屋風。店内には4人掛けの机が9つほど配置されています。
広めの窓から見える木々と上野公園の森が涼しげで、都会の煩わしさを忘れさせてくれます。
さらに屋外には緑の天井に覆われたテラス席も。真夏の蒸し暑い時期とあって利用者はいませんでしたが、風そよぐ新緑の季節は気持ちの良い時間を過ごせそうです。
◆名物「鶯だんご」を食べながら、上野公園で夕涼み
「新鶯亭」のメニューは、鶯だんごにおでん、そして甘味や飲み物がいくつかという、かなりシンプルな構成。ここでは名物の鶯だんご(600円)をいただくことにしました。
代金はお団子が来た時に、引き換えに支払うタイプ。
鶯だんごはこしあん、白あん、抹茶あんの3種類。保存料不使用とのことです。
団子部分はとても柔らかく、楊枝がスッと通る食感。和菓子の練り切りに近い感触です。
大きく取りすぎると楊枝からこぼれそうになるので、少しずつ切り取って食べるのが良いと感じました。
歴史の深さに裏打ちされた、とても上品な甘味。食べ飽きず、ガツガツ早く食べたくなる風でもなく、ほのかな甘さを口に含んで静かに時間を過ごしていられます。上野公園の緑を鑑賞しつつ、ゆったりした時間を過ごすうえで最適のお供と呼べるかも。
「新鶯亭」は店員さんも飾らず親切で、品の良い仕草が印象的。配膳したり、お茶をスッと注いでくれたりする時の穏やかな所作にも、お店の奥ゆかしさを感じ取ることができます。
所どころに英語での説明もあり、歴史の深さだけでなく、これからの時代へ柔軟に適応する姿勢も感じられます。
日が傾き始めた午後4時、「新鶯亭」で鶯だんごを味わいつつ蝉の声を聞いていると、胸の奥がスッと落ち着いてくるようです。
「新鶯亭」は上野界隈の騒々しさや、公園内広場で開催されるイベントのにぎやかさとは別世界のような、ゆったりとした一時を過ごせるお店です。休日に歩き疲れた時だけでなく、日々の雑事や悩みで気疲れしている時なども、訪れてみても良いかも知れません。