「巣ごもり族」に人気の韓国ドラマ『愛の不時着』と『梨泰院クラス』に続くのは?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出自粛が呼びかけられる中、動画配信サービスのNetflixの勢いが止まらない。
アメリカのCNNは4月22日(日本時間)、世界のNetflix有料加入者数が3月末時点で1億8286万人と、昨年12月末時点から1577万人(9%)増えたと報じた。
2020年1〜3月期の収益は前年同期に比べ倍増の7億900万ドル。4〜6月期にも成長を続け、約750万人の新規加入者を取得する見込みという。
『愛の不時着』は東南アジアでも人気
そんなNetflixで密かなブームになっているのが「韓国ドラマ」だ。以前紹介した『梨泰院(イテウォン)クラス』や『愛の不時着』などがロングヒットを続け、コロナ時代の新・韓流ブームを起こしている。
ここ最近、日本国内の「今日の総合TOP10」を見ると『梨泰院クラス』と『愛の不時着』が連日上位にランクインしている。さらに先週から配信が始まった『ザ・キング: 永遠の君主』も5位(4月22日時点)に上がり、韓国発コンテンツがNetflix内でも存在感を放っている。
もっとも、それは日本だけでなく、世界各国でも同じ現象が起きているようだ。
『愛の不時着』の場合、台湾4大日刊紙のうち3社が特集を組み、東南アジアのSNS上でドラマ関連の書き込みが盛んだという。
アメリカの雑誌『PC MAGAZINE』によると、Netflix、hulu、HBOなど動画配信サービスで最も視聴されたコンテンツランキング4位(4月10日時点)に『愛の不時着』が名を連ねたというから驚きだ。ドラマの世界に惹かれたファンたちの間では、撮影現場の様子な裏話なども話題になっているほどだという。
ドラマの人気とともに、主演俳優ヒョンビンの株も急上昇。ヒットドラマ『私の名前はキム・サムスン』『シークレットガーデン』ですでに韓流スターの仲間入りを果たしている彼だが、改めて人気に火がついて東南アジアの広告業界からオファーが殺到しているという。
先日4月22日には、CNNインドネシアが「金正恩(キム・ジョンウン)重病説」を報じる際、『愛の不時着』で北朝鮮のエリート将校を演じたヒョンビンの写真を使用するといったハプニングも起きたほどだ。
『トッケビ』脚本家の新作『ザ・キング』とは?
『愛の不時着』とともに『梨泰院クラス』もメガヒットを記録している。台湾、香港、タイ、シンガポールのNetflixでは1位に君臨、日本では最高2位まで上がった。
主演俳優パク・ソジュンが改めて注目を浴びたのは言うまでもなく、彼の前作ドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』の需要も高まったそうだ。
パク・ソジュン側の関係者は韓国メディアの取材で「台湾、フィリピン、ベトナムからインタビュー要請や広告モデルのオファーを受けている」とうれしい悲鳴を上げていた。
また、これまで『愛の不時着』と『梨泰院クラス』の2強体制が続いたが、今後はさらに3強になるかもしれない。『ザ・キング: 永遠の君主』が加わったからだ。
同作は日本でも大ヒットした『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』の脚本家キム・ウンスクの新作として早くから注目を浴びた。
主演を務めるのは『トッケビ』のヒロイン役を演じた女優キム・ゴウンと、人気俳優イ・ミンホ。まだ配信が始まったばかりで、今後どういう反応が集まるか注目していきたい。
(参考記事:【PHOTO】“胸キュン必須” イ・ミンホ主演『ザ・キング』最新話で恋愛ムード進展!?)
コロナ渦の長期化で急成長しているNetflixだが、この状況を手放しで喜んではいない。
『スポーツソウル』芸能班によると、先日Netflixが株主らに送信したメールには「創業20年で最も不透明な未来の前に立たされた」という内容もあったという。
「加入者や収益は増えたが、新型コロナの事態が解決すればこの数字は減ることだろう。韓国とアイスランドを除くほとんどのコンテンツ制作会社が休業中で、業界に携わる数百万人にとっては絶望的だ」と、コンテンツの枯渇も懸念しているというのだ。
いずれにしても世界中の人々が「巣ごもり生活」を続ける限り、Netflixの需要はますます増えるだろう。それだけに近年はオリジナル作品にも力を入れているNetflixが、コンテンツ枯渇状況を見越してどんな打開策に打って出るかにも注目しておきたい。