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独立リーグから相次いでNPB入りの発表。ますます存在感を増す独立リーグ・球団 #専門家のまとめ

阿佐智ベースボールジャーナリスト
火の国サラマンダーズからヤクルト入りが決まった中川拓真(筆者撮影)

 独立リーグを知っているだろうか?既存のプロリーグを目指す選手が集まる人材育成的役割を果たしているプロリーグのことだ。日本には、いわゆる「プロ野球」・NPBのドラフトにかからなかったものの、あるいはNPBから戦力外通告を受けながらも、再チャレンジを目指す選手の集まる独立リーグが、各地に存在している。また、今年からNPBの二軍リーグに一軍をもたない「独立球団」が参入し、話題を呼んでいるが、ここ数日、独立リーグ・球団のニュースがいくつかリリースされた。

ココがポイント

▼兄が在籍していた千葉ロッテにルートインBCリーグ・茨城アストロプラネッツのキューバ人選手、アンディ・マーティンが移籍

【ロッテ】育成契約で入団のアンディ・マーティン、BC茨城に感謝「楽しくすばらしい時間を」(日刊スポーツ)

▼九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズからは元オリの中川拓真捕手が移籍

独立リーグ「火の国サラマンダーズ」中川拓真捕手(21) ヤクルト移籍へ 昨季までオリックス所属(RKK熊本放送)

▼今年からNPBファームリーグに参入したくふうハヤテベンチャーズ静岡には、オランダ代表の投手が入団

くふうハヤテにオランダ代表右腕入団 昨年のWBCで3試合に登板して無失点(SHIZUOAKA Life)

▼さらに海の向こう、台湾では社会人リーグに属していた元独立リーガーの高塩が35歳にしてCPBLからドラフト指名

台湾プロ野球 35歳の日本人投手をドラフト指名 右腕・高塩将樹、統一が6位で(スポニチアネックス)

エキスパートの補足・見解

 これら記事からは、日本の独立リーグが世界中のプロ野球リーグにとって欠かせない人財供給源になっていることがわかる。世界的にみると、野球はプロとして稼ぐことができる場が限られている。それゆえプロとして稼ぐ能力があるにもかかわらず、プレーの場がなくなったことによって、キャリアにピリオドを打たねばならない選手が数多くいる。そのような選手にとって、日本の独立リーグは、不可欠な中継点である。

 来日したオランダ代表、フランクリン・ファンフルプ(記事中ではバングルプ)は、カリブ海のオランダ領シントマールテン出身。3月に侍ジャパンと対戦した欧州代表メンバーとして来日している。静岡でのピッチング次第では、今シーズン中のNPB入りもありうるだろう。

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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