SDカードの価格が店によって大きく違う理由とは? メーカーに聞いてみた
SDカードやmicroSDカードの価格は販売店によって大きな違いがあり、SNSなどで戸惑いの声が上がることがあります。
並行輸入品が流通していることが主な理由とみられますが、現状はどうなっているのでしょうか。メーカーに聞いてみました。
同じスペックで6倍の価格差
SDカードの価格差の例としては、家電量販店で売られるサンディスクの正規品が「1万1980円」、アマゾンで検索にヒットする並行輸入品が「1862円」と、実に6倍もの違いがあります。
製品はどちらもサンディスクの「エクストリーム プロ」、スペックはUHS-I V30対応、容量は64GBとなっており、製品の世代としても同じ「SDSDXXU」で違いはなさそうです。
両者の違いとして、並行輸入品には国内の個人向け製品保証が適用されないという点があるものの、それを考慮したとしても価格差が大きすぎる印象を受けます。
こうした状況から、「アマゾンでSDカードを買うのは危ない」との声もあるようですが、アマゾンには「SanDiskのストア」があり、ここから買えば安全そうに見えます。
サンディスク製品を展開するウエスタンデジタルによれば、これはウエスタンデジタルが運営するストアではないものの、正規販売店であるアマゾンが運営しており、メーカーとして製品情報などの提供をしているとのことです。
ここでは先ほどと同じスペックとみられる製品が2648円(さらに値引きされて2418円)で売られており、「サンディスク 正規品」や「エコパッケージ」といった表示があります。
以前は、このストアに並行輸入品が並んでいることもあったので注意は必要ですが、見分け方として「出荷元と販売元がAmazon.co.jpになっていれば正規品」との説明があります。
価格だけを見ると並行輸入品のように感じるところですが、ウエスタンデジタルによれば「アマゾンは正規販売店であるため、アマゾン自身の手で販売している商品は正規品になる」(広報)と説明しています。
アマゾン以外の正規販売店も知りたいところですが、この記事を執筆している時点では、Webサイトから「SanDisk」ブランドのオンラインストアを表示できません。同社によればWebサイトに不備があり、順次修正予定としています。
日本だけSDカードが高すぎる?
ところで、アマゾンでは「正規品」がこれほど安く売られているのに、なぜ家電量販店の正規品は高いままなのでしょうか。
実は、日米の間にも大きな価格差があります。UHS-IIに対応した64GBモデルの場合、日本の公式ストアでは1万5180円(税込)、米国の公式ストアでは39.99ドル(税抜)となっています。
しかし、USBメモリーなどSDカード以外の製品については、日米でそこまで大きな価格差はありません。日本のSDカードだけが、なぜか高く設定されている印象を受けます。
日米での価格の違いについてウエスタンデジタルに聞いてみたところ、「各国の市場で販売するにあたり市場状況を考慮し、最適と考えられる価格を設定している」(広報)との回答になりました。
日米での「市場状況」の違いとして、日本の家電量販店ではカメラ購入時などにもらえるポイントを利用してSDカードを買う人が多いとの声があり、そうした商習慣が価格設定に反映されている可能性が考えられます。
おトクな買い方は?
ポイントを使えることは家電量販店を利用する大きなメリットの1つではあるものの、これほど価格差があることを考えると、並行輸入品もそれほど悪い選択肢ではないと筆者は考えています。
ただ、サンディスクのようなブランド品には偽造品が出回っているという点も気になるところです。相場より安すぎるものは避け、並行輸入品の扱いに慣れているお店で買う、といったリテラシーが必要になるでしょう。
一方、アマゾンが直接販売する正規品は、パッケージが簡素化されているとはいえ、家電量販店の正規品より大幅に安いのが特徴です。
製品の無期限保証もついているなど、誰でも簡単に買える正規品として十分にお買い得といえそうです。