台風20号 小笠原諸島を直撃か 最大瞬間風速60メートルの記録的暴風のおそれも
あさって28日(木)夜、小笠原諸島へ最接近
台風20号は、きょう26日(火)午後3時現在、日本のはるか南海上にあって、北東にゆっくりと進んでいます。現在の勢力は、中心気圧994hPa、最大風速23メートル、最大瞬間風速35メートルとなっています。
タイトル画像を見ても分かる通り、台風20号は雲の円形度が増しており、中心付近には活発な背の高い積乱雲も密集しているため、今後は急発達をしながら北上する見込みです。
台風20号が予報円の真ん中を進むと、あす27日(水)には強い勢力となり、あさって28日(木)午後3時には、中心気圧955hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルの勢力で、小笠原近海に達し、その後、まさに父島付近を直撃するように北上する予想となっています。
小笠原諸島には過去、950hPaを下回るような強力な台風が何度も襲来しているため、今回の台風20号は特に過去最強クラスの台風というほどではありませんが、進路によっては記録的な暴風が吹くおそれがあるため、厳重な警戒が必要です。
実は父島での統計開始以来、最も強い風(最大瞬間風速59.7メートル)が観測されたのは、まさに今回の台風20号と同じような勢力、進路の台風となっているのです。
父島での最大瞬間風速3位までの台風
上図は父島において、過去3位までの最大瞬間風速をもたらした台風の進路図です。
まず先に、2位2006年台風14号、3位1983年台風17号からみると、ともに中心気圧930hPaから940hPaの非常に強い勢力で父島を直撃するように通過しており、1983年台風17号ではこれまでの父島での最低気圧932.5hPaを観測しました。
そしてこれらの強力な台風を抑えて、最大瞬間風速1位の記録を作ったのは、1986年台風17号で、中心気圧は約955hPaと上記2つの台風と比べてやや落ちるものの、速度を上げながら父島のすぐ西側を通過したということで、59.7メートルの最大瞬間風速を観測しました。
今回接近が予想される台風20号は、小笠原諸島にとって、まさにこの1986年台風17号が類似台風と呼べるようなもので、勢力やコースが非常に似ている予想となっています。
最大瞬間風速60メートルのおそれも
きょう夕方、気象庁から台風20号に関する情報が発表になりました。
これによると、あさって28日(木)に小笠原諸島で予想される最大風速(最大瞬間風速)は、30メートルから40メートル(40メートルから60メートル)となっています。
台風の中心付近の構造にもよりますが、一般的には台風の進行方向の右側の方が風が強まる傾向があるため、今回の台風20号が父島付近あるいは父島のすぐ西側を通過するような場合は、最大瞬間風速60メートルの烈風に見舞われるおそれがあり、進路によっては最大級の警戒が必要となりそうです。
なお上図は風の予想ですが、最新の台風の予報円よりは、やや西側を進む計算となっています。