救出活動続くタイ洞窟 4割増の今年のモンスーン
奇跡の発見から3日。タイ北部タムルアン洞窟に閉じ込められたサッカー少年とコーチの13人が、奇跡の生還を果たすことができるのか、世界中が固唾をのんで見守っています。
生存の要因
少年たちは先月23日から行方不明になっていました。その間スナックをみんなで分け合ったり、洞窟内の水を飲んでいたりして、わずかながらの栄養を取り、さらに無駄な動きをしないようにするなど、体力を温存していたと伝えられています。
彼らが生存できた他の要因は、洞窟内の気温も関係していました。日本の洞窟といえば夏でも肌寒いイメージですが、このタムルアン洞窟内の気温は20~25℃はあり、比較的体温が奪われずにすんだともいわれています。いっぱんに洞窟内の気温は、その土地の年間平均気温に近いことが知られています。
これまでの雨の状況
今年のタイのモンスーン(雨季)は5月26日に始まりました。モンスーンの時期は、非常に激しいスコールが突然降りだします。
タイ気象局のデータによると、洞窟に近いチャンライにおける今年6月の降水量はおよそ250ミリで、平年よりも約4割も多く雨が降っていました。つまり少年たちが閉じ込められた23日以前に、すでに洞窟内には例年より多くの水があったと考えられます。
今後の雨の予想
では今後の雨の予想はどうでしょうか。
2日(月)〜4日(水)にかけては洞窟周辺で雨が降らず、排水の効果で水位がやや下がったとも伝えられています。
しかしタイ気象局の予報によると、今後少なくとも一週間は雷雨の可能性があり、特に6日(金)~10日(火)にかけては北部で局所的に大雨の予想が出ています。
例年、タイ北部のモンスーンは10月中旬まで続きます。特に7、8月は一年を通じ最も雨が多く、チャンライではひと月で300ミリ超の雨が降ります。
今後、洞窟内の水かさ・水流ともに増すことは必然的で、生徒たちに潜水の知識を身につけさせ脱出させるのか、洞窟の上から掘削するのか、はたまたモンスーンが終わるまで待機をさせるのかなど、救出方法において様々な方法が議論されています。
(↑救出方法のイラスト)